人けのない小石川の寺で門番の猫と会話した

2025年正月4日の夕方、小石川にて。

 

「猫だ……」

 

『あんた何もんや、挨拶でけへんやつは通さへんで』

 

「たまたま通りかかった只ものですが、何かご無礼でも?」

 

『フン……まぁええ、賽銭はずんどいてや、たのむで』

 

 

参拝を済ませ引き返すと、門番は消えていた。

お勤めの刻限を過ぎたか。

 

底冷えを凌げるねぐらで今夜も餌にありつけることを願った。

 

 

以上、東京は小石川の慈眼院「澤蔵司稲荷」からお届けしました。

 

おしまい

 

 

 

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