玉置妙憂氏の講義が乾いた心にしみる

今日は、以前から予約していたシンポジウムを聴講してきた。

第24回BDKシンポジウム「仏教と緩和ケア」
開催日:2021年3月13日(土)
時間:13時00分~15時00分(開場12:15)
場所:仏教伝道センタービル(〒108-0014 東京都港区芝4丁目3-14)
参加費:1,000円 (当日現金、J-Coin Pay利用可)

 

サブタイトルは「 − 穏やかな最期を迎えるために − 」

 

photo by Pixabay

 

 

講師は、玉置妙憂氏。

肩書は、看護師・僧侶・スピリチュアルケア師・ケアマネ-ジャー・看護教員

最近は、テレビほかメディアにも登場されているのでご存じの方も多いだろう。

 

 

僧侶であることはそのルックスから一目瞭然だが、今回のシンポジウムのタイトルに「仏教」を付したのは主催団体への気遣いだったようだ。

病院や在宅で行う緩和ケア(その一部がスピリチュアルケアとのこと)の活動においては、問われたり水を向けられたりしない限り説法することはないという。

 

 

感じたのは、医療現場での勤務経験を踏まえて人の死の周辺を語るので、説得力が頭一つ抜けていること。

考えてみれば、氏が過去に従事されていた看護師という職業は、「人の死」に関して直接的な経験が豊富にならざるを得ない。

僧侶より圧倒的に具体性があるのだ。

 

 

講義の中で記憶に残ったコメントを3つ挙げておく(いずれも意訳)。

  1. 現代医療には「死」についての思想が欠如している
  2. 進んだ医療によって延ばされた命、時間が必ずしも幸せとは限らない
  3. 医療や看取りの現場には、医学や科学のような学問だけでは解決できない問題がある

 

 

近現代の医療において病気の回復や緩和、延命の手法は飛躍的に進歩したが、医学的に有効な手立てが無くなり死の影が見えた患者に対するケアの手法は皆無に等しいという。

また、医療の力で不治の病から生還した患者の姿は、チューブだらけだったり外見や体型が変わっていたり時として痛ましいものがある、と。

 

 

そして、3番めが講義のメインテーマ、氏が最も力を入れているスピリチュアルケアだった。

 

それらの話に、いつの間にか身を乗り出していた。

スピリチュアルケア、スピリチュアルペインについては、もっと話を聴きたかった。

稚拙なリテラシーしか持たず、講義の内容を具体的に書き残せないのが悔しい。

 

 

「穏やかな最期を迎える」は、筆者の最近のテーマの一つだ。

氏の穏やかな中に力強さが顔を覗かせるトークに触れる機会が近いうちに再びあることを願う。

 

 

 

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