投稿が遅くなりましたが……
まずビラロボス(あえてこう書きます)とは何者なのか。
- 南米はブラジルの作曲家
- 1887年リオ・デ・ジャネイロ生まれ、1959年没
- クラシックとブラジル音楽を融合させた
- 20世紀を代表する音楽家の一人と評される
- 器楽曲から交響曲、映画音楽まで手掛けた稀にみる多作家
- 母国では、紙幣や切手に肖像が使われるほど身近で尊敬を集める
……等々、筆者が言うまでもなくロボスは紛うことなき偉大な作曲家です。
十代後半でギターを弾き始めて彼を知りました。もちろん楽譜やレコードで、です。数々の独奏曲をそれは夢中になって弾きました。
僭越ですが、筆者にとってはバッハと並んで身近な音楽家と言っても過言ではありません。
その当時、彼に抱いた自分流のイメージは、
- 「みらろぼす」って誰?
- ブラジルの作曲家ってあまり聞いたことがないな
- 葉巻が大好きみたいだ
- 写真はどう見てもアル・カポネじゃん
ミーハーで小生意気な若造でした。お恥ずかしい。
- 14〜5年前まで生きていた?、割と最近の人だね
- 特徴的でチャレンジングなギター曲がたくさんあるな
- 近〜現代の作曲家にしてはとても解りやすい
- 知れば知るほど弾きたい曲が増えて来るぞっ!
もちろん、懐の深い彼の全容を知ったうえではありませんが、筆者にとっては掴みどころが多かったし、結果としてギターを通じて思い出をたくさん作ってくれた人でした。
例えば彼のギター曲。
その多くに独特なパッセージが出てきます。
奏法は単純と言えば単純で、左手は同じ押さえ方で固定し、そのままフレットを上下に移動するだけ。
楽譜ではやたら♯と♭が多くて一見難しそうけど、押さえるフレットさえ間違わなければ案外スムーズに弾けてしまいます。
右手はたいがい和音かアルペジオで、そのパッセージ群が初めて世に響いたときオーディエンスはさぞかしびっくりしただろうな〜、とニヤついてしまうほど独特なんです。
「ロボス節」とでも言いましょうか。
たちまち(うわっ、おもしれー!)とのめり込みました。
ちなみにそうした特異なパッセージは、ピアノで弾こうとすると途轍もなく難しいらしいです。ギタリストとしては(してやったり!)との気持ちが湧くではありませんか(笑)。
自らギターを弾き楽器としての特徴や性質を熟知していたからこそ、そして天才的なインスピレーションと遊び心を持っていたからこそ、そうしたパッセージを編み出しさらに母国の味(サウダージ?)を加えて素敵な曲にできたのではないかと思います。
3月5日は彼の134回めの誕生日。
最後に、若いころ夢中になって弾いた曲をリストアップして、筆者をギターの深みに誘なってくれたロボスを偲びたいと思います。
- ショーロス第1番
- 前奏曲第1番、2番、4番
- 練習曲集:第1番、3番、4番、8番、11番
- ショティッシュ・ショーロ
……と偉そうに書いたけど、文化祭のステージで弾いた練習曲第3番以外は、どれもみな冒頭の約10小節で挫折したな(号泣)。