尿酸値が気になる人へ / 飲兵衛より愛を込めて

今日は、尿酸の話です。

 

 

健康診断で尿酸の数字が基準値ギリギリ、あるいは塀の上を歩いている方、おられますよね。

 

本稿では、ボーダーライン上でワナワナしている飲兵衛の初老男性(筆者含む ※1)に向けて、そもそも尿酸とは?から入って、その功罪や普段の生活で気をつけたいことなどを書いてみます。

※1:要は自分のために書いていますが(汗)、少しでも参考になれば幸甚です。

 

1.尿酸とは

 

まず、基本的なことを改めて整理してみましょう。

  • 尿酸とは、私たちの身体の中で「プリン体」という物質が分解されてできる老廃物の一種。いわば燃えカスです。
  • 尿酸そのものの生理的役割はよく分かっていません。活性酸素を抑える良い作用を持つという説はあるものの、立証はされていないそうです。
  • ほとんどの動物は尿酸を分解して体外に排出しますが、人間の身体には尿酸を体内に溜めこむ性質があります。
  • 尿酸の基準値は、男女ともに7.0mg/dlとされ、これを超えると高尿酸血症ということになり、健康診断、人間ドックなどでは数値に※印が付いたりして注意を促されます。

 

パンフレット(1) / ※画像はすべてクリックで拡大表示、もう一度クリックで元に戻ります。

 

 

 

2.体内に溜め込まれた尿酸はどうなる

 

要らんもんは捨てりゃええやん、とならないところが人体の摩訶不思議なところです。

  • 血液中に溶け込んでいる尿酸の量が過剰になると、溶けきれない分が関節で結晶化し、関節液の中に剥がれ落ちることがあります。
  • 剥がれ落ちた尿酸塩結晶を白血球が敵とみなして攻撃を始めると、副産物として炎症を起こす物質が生成され激烈な痛みの元となります。
  • それが痛風と言わる病気の代表的な症状です。そのほかに尿酸は、腎臓や皮下にも溜まって障害を起こすことがあるため、痛風の痛みは身体が発するアラームとも言えるでしょう。
  • ちなみに、女性ホルモンには尿酸の排泄を促す働きがあるので、男性に多く女性に少ないのが痛風の大きな特徴です。

 

 

 

3.尿酸の元となるプリン体は旨味成分?

 

余談ですが、筆者は最近まで「プリン体」を「ブリン体」と間違って覚えていました。どおりで「ブリン隊」と新手の戦隊もののように誤変換されるわけです(笑)。

  • 一般にプリン体は、痛風の元凶となるなど人体にとって悪いイメージが強いですが、その約80%は体内で生成されていて、細胞の代謝・増殖などの重要な役割を担っています。
  • 残りの20%を私たちは穀物、肉、魚、野菜ほかの食物、飲料から体内に取り込んでいます。プリン体はそれら飲食物に含まれる旨味成分にあたるそうです。
  • 一般に「ごちそう」と言われるような美味しい食べ物に多く含まれるので、それが「痛風は贅沢病」と言われる所以です。

 

旨味の元であるプリン体が場合によっては害になる……、なんだか切ない話ですね。食べ物だけに、綺麗な薔薇に棘があるなら眺めるだけにしときゃいいじゃん、とはいかないのが難しいところです。

 

 

 

4.食べ物とプリン体

 

人間が生きるためには、死ぬまで食事他で栄養を摂取しなければなりません。そう考えると日々の食事は疎かにできませんね。

  • 先ほど、プリン体とはほぼ旨味成分と書きましたが、旨味のあるもの全てにたくさんのプリン体が含まれているわけではありません。
  • その含有量を旨味の元である出汁(だし)系の食材で比較してみると、煮干し746mg、だしの素685mgに対して、干し椎茸380mg、コンソメ180mg、乾燥昆布46mgとかなり幅があります(すべて100g当たり)。
  • さらに下表では、肉、魚介類を一食の分量で比較していますが、正直言って掴みどころがなく傾向もバラバラで、何が何やら混乱するばかりです。
  • ……とは言えすごく大雑把にまとめると、こんな傾向があるようです(表中に一部小さく書かれている)。
    • レバー類、イカ、エビ、白子は多め
    • 干物は、旨味が凝縮しているので多め
    • 肉類では、鶏モモや牛・豚のロース肉、バラ肉は低め
    • 魚介類では、マサバ、ブリ、タコは低め
    • 青魚のプリン体は、吸収されにくい
パンフレット(2)

 

余談ですが、尿酸値を気にする人が金子先生にこの表で講義を受けても、ストレートに(オォ、食生活はこうすればいいのか!)とは、失礼ながらならないでしょう。

傾向がバラバラというか複雑すぎて、逆に何をどれだけ食べるか悩み始めたりして、却って具合が悪くなりそうです。

 

中年男性代表のような痛風二郎氏は、どこか上の空っぽいし……

 

 

 

5.飲み物と尿酸・プリン体

 

もちろん飲み物にも注意が必要です。

初老の飲兵衛としては最も注意・注力が必要なところにもかかわらず、日々煩悶のすえ腰砕けの可能性が大な部分でもあります(大汗)。

  • 甘い清涼飲料水に多く含まれている果糖は、体内で分解される際、尿酸値を上げる作用があると言われています。
  • 酒類に含まれるアルコールには尿酸の生産量を増やし、その排泄を阻害する働きがある。また、利尿作用もあるので、体内の水分量が減少し尿酸値が上昇しやすくなります。
  • 酒自体にもプリン体は含まれ、大雑把には、蒸留酒<醸造酒の傾向にあります(やはり旨味のある酒は多い?)。
  • そのうち醸造酒では概ね、日本酒<ワイン<発泡酒<ビール<地ビールの順で多くなります(あくまで大雑把な傾向)。
パンフレット(3)

 

やはりアルコールは、尿酸値にも影響を及ぼすようですね。金子先生のアドバイスには、グウの音も出ません。

一方、生徒の高尿酸太郎氏は、・・・・・・先生の講義が終わったら全て忘れていると断言できそうです(汗)。

 

 

 

6.尿酸値を下げるには

 

尿酸値を下げる食べ物について、上記(株)三和化学研究所のパンフその他を参考にまとめてみます。

  1. 野菜類、きのこ類、海藻類、豆類(食物繊維が豊富)
  2. 牛乳・乳製品(プリン体も少なく、尿酸値を下げる)
  3. ビタミンCを多く含む食材(キャベツ、果物、いも類など)
  4. 水分(1日に1.5〜2ℓが目安)

これらを心がけて多めに摂るといいそうです。

 

また、生活習慣上の注意を大正製薬のサイトから引用してみましょう。

  1. 肥満の解消
  2. 栄養バランスがとれた食事を規則正しく
  3. 適度な運動を心がける
  4. ストレスを溜め込まない

ウ〜ム、これは成人病全般にあてはまる注意事項ですね。「早寝早起き」を加えれば仙人を目指せるでしょう(笑)。

 

オホン、
・・・趣旨は良く分かります。

分かり過ぎるくらい分かるんですが、端からこのとおりの生活をしてりゃ尿酸値を気にするような事態にはならんのです(大汗)。

 

 

 

7.まとめ

 

以上のように、プリン体を摂り過ぎると体内の尿酸が過剰になり、結晶化した尿酸が悪さをして痛風という恐ろしい病気になるおそれがあることが分かりました。

また、食べ物、飲み物から摂り入れるプリン体は、体内の全量の約20%であることからして、食事だけで尿酸値はコントロールしきれないし、また数値に神経質になり過ぎるのも良くないと感じました。

 

……ということで、飲兵衛の初老男子として痛風など尿酸関連の疾病回避のため、これからは以下を心がけるぞ!、っと小さめな声で宣言して本稿の結論といたします。

  1. お酒は蒸留酒をメインに、量はほどほどに
  2. 尿酸値を下げる食べ物は多めに
  3. プリン体の多い食べ物は控えめに
  4. 他の成人病と同様に生活習慣を改善する

 

ちなみに当面は、尿酸値を現在の7mg/dl前後から6.5程度に下げることを目標にしてみます。

日々の積み重ねで、健康寿命を延ばしましょう!

 

 

 

8.参考にした情報と注意事項

 

【参考にしたサイト】

 

【パンフレット】
  • 上に貼り付けたパンフレット(1)~(3)は、かかりつけの病院でいただいたもので、広く配布されているようです。

 

【注意事項】
  • 本稿は、Web上に公開されている情報をもとにして、筆者の解釈でまとめたものです。誤りや誤記がありましたらご指摘ください。訂正します。
  • 現に尿酸値が基準値を超えていたり痛風の症状がある方は、(余計なお世話かもしれませんが)正しい情報に基づいて医師の診察を受けることをお勧めします。

 

 

 

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