中目黒からやって来たtokyobikeは、前期高齢者のオッサンにも優しい自転車だった

ということで最近、自転車を新しくしました。

tokyobike」の「TOKYOBIKE 20」。一口で言えば、ちょっとお洒落な小径シティバイクでしょうか。

tokyobike20
・タイヤ、サドル、グリップは注文時に選択
・トークリップ&ストラップは、購入後に取付け(三ヶ島CAGE CLIP & Zefal Christophe

 

約8年乗った「フェラーリ号」が諸般の事情で仙台方面にもらわれて行ったので、その後釜として働いてもらうことになります。

フェラーリ号フォトインプレッション(2011/05/04)

 

今回は、tokyobikeを選んだ理由、お店はどうなの、乗ってどうなの、的な話を独断的かつ少しマニアックにまとめてみましたので、どうぞお付き合いください。

 

1. 話のマクラ

 

筆者は、何を隠そう今から半世紀近く前の学生時代から20代まで、走るのも(変な意味でなく)イジるのも大好きな自転車少年~青年でした。

自分で組んだ26インチのツーリング車「ケルビム号」で輪行して関東一円を走ったり、1点づつバラ売りが当たり前だった国内外の各種パーツを取っ換え引っ換えしたり、ハブやヘッドのグリスアップほかメンテナンスもとにかく楽しくて楽しくて。

ケルビム号をメンテナンス(2006/05/03)
ケルビム号復活(2006/05/04)

 

その頃の経験と記憶が、今でも自転車及び自転車界を見る基準になっていまして、そういったバイアスがあることを前提に本稿を読んでいただくと少し分かりやすいのではないかと思います。

 

 

 

2. 選んだブランド

 

今回選んだtokyobikeは、その名のとおり東京を走ることと、乗り手に気持ちの良い日常を提供することをコンセプトに、自転車と関連グッズを展開しているブランドです。

直営店、取扱店を含めて日本国内に200店舗、海外でも米英独伊豪ほかたくさんの国に出店しているので、国際ブランドといえるのかもしれません。

シンプルなロゴ

 

購入を考える以前からサイトを覗いたり、谷中の本店を訪ねて実車を見たりして、そのシンプルさと洗練された雰囲気に心惹かれるものがあり、日常の足+alphaとしての自転車を新調しようと思ったときに、ほとんど迷うことなくtokyobikeのお店に足が向いていました。

Tokyobike Shop&Rentals 谷中

Tokyobike Shop&Rentals 谷中(official siteから転載)

 

 

 

3. 訪ねたショップ

 

自宅から割と近い中目黒の直営店を訪ねました。

そこは、街の自転車屋さんや、筆者がかつて通った技術やマニアックな品揃えを売りにするクラフト店とは全く違う店構え。

Tokyobike Shop 中目黒(official siteから転載)

 

軒下に実車が並んでいなければ、レストランか若い人がお茶するところ(最近の呼び名を知らない)にしか見えません。

スタバの看板があっても全然おかしくないお洒落なファサードと、照明控えめで外から見えない店内にビビって、恥ずかしながら店の前を2往復してから入店しました。

・・・やはり最近は、自転車店も「映え」を意識した構えとイメージ作りが大事なんですね(汗)。

 

 

 

4. 入店から購入まで

 

すごく正直に言ってしまうと、実はお店の対応と自転車そのものにそれほど期待はしていませんでした(失礼)。

なぜなら、店員さんは前述の「往年の自転車少年」とは世代の違う若い人ばかりと想像がついたし、趣味の自転車の世界もすっかり様変わりしていると分かっていたからです。

極端に言えば、意思疎通さえ難しいのでは、と思っていたくらい。

結果的にその先入観は半分以上外れて、違う面での満足感、充足感を味わうことになるのですが。

 

お店に入って、まず試乗とオーダーに付き合ってくれた背の高い女性、実車を前にして筆者の試すような質問に一生懸命答えてくれた帽子のメカニックさん、そして後日細かなカスタマイズの相談(後述)に乗ってくれることになる実直そうな店長らしき人。

予想したとおり皆さんお若い方々でしたが、こちらのステレオタイプな先入観を無かったことにする丁寧な対応に、拙宅の家人Bがよく口にする「買い物は人でするもの」という言葉をジワッと思い出しました。

実地に見た自転車自体も予想以上に丁寧に作り込まれまとまりも良く、筆者にしては珍しく初訪問の日に購入を決めていました。

 

 

 

5. なぜ20inchなのか

 

理由は3つです。

  1. 他人様と違う自転車に乗りたい
  2. 試乗して違和感がなかった
  3. 比較したTOKYOBIKE26よりコンパクトだし、公称400g軽い

 

1.は、周囲と同じことをしたり群れたりするのが嫌いというひねくれた性格がここでも出た、と言っておきましょう。

2.は、直前まで20inchのフェラーリ号を常用していたので当然かもしれません。実のところ、26inch車にもそれなりに魅力は感じたのですが、やはり安心感が違いました。

3.は、自転車においては軽薄短小、特に「軽いこと=善」という若い頃からの擦り込みから来る価値観そのものです。

 

 

 

6. 乗ったり触ったりしてみて

 

結論から言うと、とても快適です。選択に間違えはなかったと思っています。

実用面では、無理のない乗車姿勢、(小径車にしては)安定したハンドリング、軽い取り回しなど、硬くなった身体にも優しくて現時点の筆者にはちょうど良い自転車でした。

パワートレーン
・変速機:Shimano Altus
・クランク:Lasco CF-12
・歯数:F(44) × R(11-13-15-18-21-24-28-32)

 

趣味的な見方からは、クランクを始めパーツ全般のグレードがやや低めなのが気になりますが、コストを考えれば充分許容範囲かと。

むしろ、こだわりのユーザー向けに敢えて部品のグレードを抑えカスタマイズの余地を残したクレバーな戦略だとすれば、筆者は積極的に乗せられたい方です(笑)。

 

また、フレームカラーを上品な6色から指定できるのもGoodだし、Fディレイラー後付け用のアウター受けとインナーガイド、リアキャリア取付用 (?)の台座が直付けされているあたりは、往年の…(くどいので省略)にとっては、やられた感ムンムンでした。

 

 

 

7. 気になる点は

 

これは筆者の場合、欠点ではなくカスタマイズでなんとかできる点です(3.を除く)。

  1. サドルが身体に合わない
  2. ギア比がワイド過ぎ
  3. フレームサイズについて

 

1.は、購入直後にとりあえず試したクッション入りのサドルカバーも合わなかったので、すでにクッション厚目でバネ入りのものに交換済みです。

そりゃ見た目はママチャリチックになって内心忸怩たるものはあるけど、柔らかいサドルは、はっきり言って快適です。

サドルカバーを被せてみました…、の図

 

自転車界には「「尻が痛い」と言う前に、とりあえず1000km走れ」という慈愛にあふれる格言(?)もありますが、齢63の身としてはそう悠長なことも言っていられません。ここは腹をくくって半目を瞑ることにしました(ですので、意地でも写真は載せません)。

 

2.は、前出の店長さんに相談した件です。
8速のうちトップ44×11の重さと常用域6~3速の3枚飛びが気になり、まずはその2点を改善したいと。それと、都内は意外に坂道が多いので、ローに44×32程度のギア比は維持する。その3点がカスタマイズの条件でした。

これについて私案(フロント2枚化+フリーのクロス化)を中目黒店に持ち込んだところ、店長さんから、現在のパーツ事情とコストほか諸々を勘案した次善の策の提示があり、現在、胡座+腕組で飲みながら考え中、という次第です。

 

3.はまた、少々ひねくれた話になります。
フレームサイズは、購入時にM(50cm)を選択しました。試乗して丁度よいと感じたからです。

ただし、それは購入時に付いてくるデフォルトのサドルでの話。

オリジナルのサドルから1.で書いた厚みのあるサドルに交換すると、厚みの差分だけ下げなければなりませんので、筆者の足の長さ(短さ)の場合、シートポストの直管部がほとんど見えなくなります。

実は、「往年の…」的には、直管部は長めに出ていたほうがかっこエーという擦り込みもありまして、この点に関して言うとフレームサイズはS(42cm)で良かったのかなと。

ただし、自転車としてのバランスやかっこ良さという点において、MとSでどちらがどうなのは未確認なので、これはなんとも言えないモヤモヤになっているのが正直なところです。

・・・はい、自分で自分の面倒臭さに呆れております(大汗)。

 

 

 

8. 自転車界の変化

 

ここには、前項の2.に関連して最近の自転車と自転車界について思うところ、

  1. 自転車とファッションの融合
  2. パーツメーカーの淘汰・集約
  3. パーツのコンポーネント化
  4. ツーリングタイプは絶滅危惧種か
  5. 自転車用のヘルメットは、なぜかっこ悪い

・・・などなどを書こうとしましたが、本稿の趣旨から外れるし長文必至なので、後日改めて別稿を立てようと思っています^_^; 。

 

 

 

9. まとめ

 

今回、とんとんとtokyobikeの購入が進んだのは、自転車が好きな人達とその子供たちに出会えたから、そんな気がしています(もちろん子供たち=自転車)。

また、少し自虐的になりますが、初めて入ったお店で自分の子供世代の若い人たちとイーブンのコミニュケーションが取れる、それもやはり自転車という素敵なツールあってこそではないかと思いました。

 

・・・どうもうまく落ちが付きませんので、最後に感想とも反省とも愚痴ともつかない与太話をいくつか。

  1. 何事にも無駄な先入観は持たない方がいい
  2. Webの情報は有益だが、本当に知るべきことはリアルにある
  3. 高齢者にこそSLOWな日常、SLOWな自転車を
  4. 自転車のパーツをこんなにつまらなくしたのは誰だ!
  5. ShimanoはどーでもいいからHuretかSimplexで1台頼む

 

本当にどーでもいい話になってきました。
さて、Macばかり睨んでいないで、外に出て走ってくるとしますか。

 

 

 

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