最近読んだ本_2017/07

今月は4冊手に取り、読了は2冊。・・・ンン?

 前回、少し範囲を広げるようなことを書いた手前、初めての作家さんにチャレンジしたものの、結果は強烈なカウンターパンチ痛み入ります、ということになりました(爆)。

 

デボラ・インストール「ロボット・イン・ザ・ガーデン」★★★☆☆
 ロボットの可愛いイラストとインパクト強めの著者名から手に取ったが、意外なほど平凡な話だった。
 本書の舞台である近未来では、人型アンドロイドがほぼ1:1の割合で普及し人間のサポートをしている。ある日、ベンの家の庭に現れたロボットの「タング」は、見かけは超旧式のポンコツだが普及型アンドロイドとはずいぶん様子が違い、子犬のようにスネたり駄々をこねたりする。
 ダメ夫のベンはそんなタングに関心を寄せ、優秀な弁護士である妻エイミーに愛想を尽かされたのを機に、壊れかけて寿命が尽きそうなタングを救うべく製作者を探す二人旅に出る。ガラクタの寄せ集めに近いボディに残されたわずかな痕跡だけで二人はタングの父親に会うことが出来るのか、極度にアンドロイドを怖がるタングの過去に隠された秘密とは・・・
 感情移入を期待し読むもイマイチその気にさせてくれない可愛さ半端なタングと、同じくらい著者が力を入れたと思われるベンの成長譚の凡庸さにそれぞれ一減。
 ・・・ウ~ン、ちょっとクリガツ。やはり翻訳物は当たりハズレが大きいですな。

 

木下昌輝「宇喜多の捨て嫁」(途中棄権)
 いわゆる戦国時代ものの本作。直近1年間の直木賞候補作から高校生が今年の一作を選ぶ「高校生直木賞」を受賞している。
 高校生と筆者の評価軸は完璧にズレとるな、と多少引け目を感じながら断念した。
 再チャレンジはたぶんない、と思う。

 

神林長平「戦闘妖精・雪風<改>」(途中棄権)
 今月の敵前逃亡第2弾!
 以前は、この程度(失礼!)のハードSFはサクッと読んもんだが、年とともに堪え性が無くなるのだよ、明智くん(汗)。
 約40年前の上梓当時は最先端であったであろうSFSFした用語の氾濫が鼻についたのと、極めてドライな人物像と話の展開に着いて行けずこれも断念。
 堪え性と共に減る一方の残り時間に鑑みて、著者には申し訳ないがさっさと次行きます。

 

有川浩「旅猫リポート」★★★☆☆
 猫好きな好青年宮脇悟は、大怪我をした野良ネコを保護し「ナナ」と名付けて大切に育てる。
 月日は経ち、ある事情からナナを手放さなければならなくなった悟は、銀色のワゴンで引き取り手を探す旅に出る。ナナが気に入り自らも納得できる落ち着き先は見つかるのか。そして友人たちにもひた隠す真の事情とは。
 幸薄い青年、猫、思い出、別れと来て、最後は○○による主人公の○○で駄目押し。そこへ持っていっちゃうか~、と思いつつしっかり涙活だけはさせてもらった。
 著者の作品にしては珍しく途中から先の読める展開ではあったが、魅力的な人物造形、飽きさせない語り口はさすが相変わらずである、と一応持ち上げておく。
 ・・・が、ステレオタイプが過ぎたことと先が読めてしまったことにかなり気落ちしたのでマイナス2星とした。

 

【ご参考として】
 H29.03、荒川区荒川に吉村昭記念文学館を併設した図書館「ゆいの森あらかわ」が新設されました。

 

 子供のためのスペースやイベント時以外は閲覧席となる開放的なホールなどを設けた同区にしては珍らしくゆったりとした施設です。

 筆者は自宅から比較的近いので一度行ってみましたが、地域文化に貢献しそうな匂いが感じられ、最新の公共施設としても一見の価値はありますので、都内唯一の都電を見に、あるいは町屋もんじゃを食べに行ったついでに寄ってみるのも一興かも知れません。

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