職場の有給を使って4回目の四国巡礼に行ってきましたので、その所感をまとめておきます。
廻った寺や歩いた距離などのデータは(資料編)に整理するつもりなのでので、そちらも併せてご覧ください。
- 1_旅行日程
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- 1日目、東京駅から夜行バスで出発、5日目、高知駅を夜行バスで出て6日目の朝に新宿バスタ帰着。
- 正味の巡礼は、12月21日(水)~24日(土)の4日間で二十四番から三十五番までの12ヶ寺を廻った。
- 2_行程中の天候など
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- ちょうど寒波が一段落した時期で、スタート地点も室戸岬だったことから、全日程を通してこの時期にしては温暖な気候に恵まれた。
- 4日間のうち22日(木)だけ雨風が強く大荒れの一日だったが、あとの3日間は比較的穏やかな陽気だった。
- 特筆すべきは、室戸周辺の暖かさである。ハイビスカス、ブーゲンビレアのような南国の花を始め、カンナ、コスモスなどの夏から秋の花、そして早春の花スイセンが同時に咲いていた。一番ビックリしたのは、春先の花であるスミレが可憐に咲いているのを見かけたこと。これには心底驚いた。
- 室戸の暖かさはたぶん南からの黒潮の影響だと思うが、百聞は一見にしかずと言うとおり、現地に立ってみて初めて実感できることである。
- 3_宿について
- 4_他人様との交流
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- 泊まった宿で出会った方々
- 民宿うらしま:大阪の女性(歩きに拘り中)、徳島の男性(逆打ちの年内結願が目標)
- 民宿遊庵:平成4年生まれの青年(仕事を辞めて心の整理中)
- 道中で出会った方々
- 二十七番手前の作業小屋にいた小松おじさん(巡礼中の菅直人と30分歓談したことと、JA広報誌の表紙を飾ったお孫さんが自慢)
- 呉から来て逆打ち中の秋山さん(S29年生のパワフルな女性。みかんは筋ごと食べる、口腔ケアなどの健康法を伝授いただいた)
- 二十九番から三十番の途中まで案内してくださった飄々とした健脚さん(名古屋のウォーキングクラブで鍛えた快足。着いて行くだけで汗が吹き出した)
- 浦戸湾を眺めていた暇そうなおっちゃん(実に旨そうにタバコを吸う方だった。お若い頃はさぞモテただろう)
- 話が堂々巡りだったおばちゃん(〜旦那が真面目~長男は食品会社~次男が自衛官~私が建てた家~、話はメビウスの輪だったけどお元気そうで何より)
- タクシードライバーさん達
- のいちタクシー:23日朝、遊庵から29番(巡礼先達の資格も取れるが、謙虚に生きたいのでワシャとらんとのこと。頭が下がる)
- 高知県観光タクシー:23日午後、31から32番(高知のことは全てご存知。お釣りと一緒にジュース代200円をいただき恐縮した)
- 片山ハイヤー:24日午後、34から35番(前職は路線バスだけに抜群の安定感。落ち着いた物腰からS32年生まれと聞いてひっくり返った)
- 泊まった宿で出会った方々
- 5_本音の感想です
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- 【常に緊張感を】
三十二番禅師峰寺で大師堂拝殿の階段からコンクリートの三和土に転げ落ち、左ひざを擦りむき右脚ふくらはぎを打撲した。
その日は朝から約14kmを歩いて既に脚がヨレヨレだったことと、境内の落葉掃除に使われていたエンジンブロアの騒音に気が乱れ、注意散漫だったことが原因。
脚力の衰えも然ることながら、外乱に気を取られて足元が怪しくなるようでは、それに加えて言い訳しているようではまだまだである。大きな怪我がなかったことに感謝して、ここはひとつ御堂での読経に「注意一秒、怪我一生」を加えるか。 - 【感謝の気持ち】
今回は、前回までと違って道中たくさんの方とお話する機会に恵まれた。コースと時期、天候、高知県の県民性、偶然等々、いろいろな要因があるとは思うが、何はともあれ善意の方ばかりでとても楽しい時間が持てた。話しかけてくださった方々、当方の話を聞いてくださった方々には感謝申し上げたい。
そして、自分で言うのもおこがましいが、4回目の巡礼にしてようやく「お遍路さん」然としてきて、なんとなく声を掛け易かったのではなかろうか。
今後も一期一会を忘れず出会いを大切にしながら歩きたい。皆さん、ありがとうございました。 - 【巡礼の醍醐味】
大荒れの天気だった12/22。午前中から難所のひとつである二十七番神峰寺(標高430m)への急坂を登って参拝を終え、二十八番大日寺最寄りの土佐くろしお鉄道のいち駅に着いたのは午後4時。
かなり足に来ていたが駅を背にして寺に向かって既に暗くなりかけた道をひたすら歩く。風雨は更に強まり雨具はほとんど役をなさない。たった2.5kmの道のりがこれほど遠く感じられるとは。不安と焦燥で心が折れそうになる。
ようやく二十八番に到着し閉門ぎりぎりで参拝した後、心身ともにグショグショ、ボロボロになって民宿遊庵にたどり着いた。出迎えてくれた初老のご主人から労いの言葉をいただき、案内された部屋で乾いたタオルで頭と身体を拭いていると、次第に身も心も溶け始め安堵と感謝で図らずも目頭が熱くなった。四国巡礼を実感した瞬間だったかもしれない。
- 【常に緊張感を】
- 6_まとめとして今後の予定を
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- 次回第5回は、今回予定して到達できなかった三十六番青龍寺がスタートとなる。高知県内は残すところ4カ寺。その後中盤の愛媛県に入る。
- この先しばらくは寺と寺の距離が遠くて交通も不便そうな地域が続くので、今までとは若干違う行程を組むことになろう。四万十川を横切るのが楽しみである一方、5で書いたように感謝の気持ちを忘れず、人様との出会いを大切に、かつ緊張感を保ちつつ四国巡礼を充分に堪能したい。
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