七番から十九番札所まで歩きながら写真もたくさん撮ったので、その一部をアップします。
今回の5日間は本当に天気に恵まれ、全行程のうち雨に降られたのは十四番、十五番を参拝したほんの2時間ほどでした。普段の行い云々…、ではなく選んだ時期が良かったのでしょう(笑)。
徳島といえば阿波踊り。
駅前の郵便ポスト上でもファンキーな善男善女がステップを踏む。
遍路道の各所で次の札所への方向、道順を示すこんな看板やシールに出会う。若葉マークのお遍路としては、別れ道などで迷うことがないのでとてもありがたい。
同時にタクシーの誘惑も半端ではなく、甘い言葉で初志貫徹と地元貢献の二者択一をたびたび迫られる。これも弘法大師が科す精神修養か。
どの寺も本堂と大師堂は必ず分かりやすく表示やされ、香炉、燭台も目の届く範囲に置かれている。
一定の様式化がなされている…、という言い方が正しいかどうかわからないが、こちとら若葉マークには優しく映った。
今行程の中で一番、「らしいな〜」と思った場面。
諸姉におかれましては、どうかご無事で巡礼されますように。
こんな長閑な風景を横目で眺めながら、ストイックに歩く、歩く、・・・歩く。
お遍路は、常に危険と隣り合わせでもある。よそ見しちゃダメケロ、落ちるケロ。
そういえば瀬戸内は雨が少ないので田畑の灌漑用に溜池が多く造られた、と小学校で習ったっけ。
ちょうどソメイヨシノが終わり、新芽が盛り始める季節。山が白っぽく見えるこの時期は、とても好きだな〜。
国道318号、吉野川にかかる阿波中央橋。
バニシングポイントには永遠に辿り着けない、・・・わけではない。橋の場合は渡りきれるし、道路には終点がある。
さて、我が人生の消滅点はいつどこに。
吉野川。
「四国三郎」とも言われる暴れ川だが、この日見せてくれた表情は、実に穏やかでおおらかだった。とはいえ、この付近の地下を中央構造線の断層帯が通っているので油断はできない。
単調な歩きに飽きて自撮りなどしてみる。素顔を晒す勇気はないので、老人性のシミなどご覧下さい。
十一番藤井寺のアプローチに桃源郷を見た。こんなところで昼寝ができたら言うことないね。
JR四国は徳島線の鴨島駅。
事務室に女性の駅員さんが1人、ホームには私だけ。1時間に2本しかない電車を待つ間、尻の下のクッションが疲れた身体に優しい。
都会とは全く違う時間の流れに思わず目が閉じる。
・・・踏切の警報音とレールの音で目が覚め、一両の列車にオッ、都電か?、と一瞬目を瞠る。
なんだ、ジェ、ジェ、ジェイアールじゃねーか、もう一寝入りだ。
オホン、場面は変わり、ここは名西郡神山町。
ここから十二番焼山寺のアプローチ途上にある下の写真の「おへんろ駅」なるところまで町営バスに乗る計画だったが、時間が折り合わずタクシーに変更した。
民宿「明日香」の女将さん、アドバイスありがとうございました。方針変更は正解でした。
おへんろ駅。
焼山寺への登り、即ち往路では、ここはタクシーの車窓を流れていった一風景に過ぎないが、徒歩の復路で下山の中間点であることを思い知る。
ここから出発点の神山町まで約一時間、歩く歩く。
質、量ともに想像以上だった大日寺の夕食。
右上の鮪の刺身以外は、精進料理っぽい雰囲気で、ビールはもちろんオプション。しかし、宿坊でこれだけの食事をいただければ御の字、何も言うことはない。ごちそうさまでした。
予定した13ヶ寺を廻り終え、ここは今回の終着点である十九番立江寺。
出発前の不安もなんのその。約65kmを歩くことができ、「同行二人」を実感した。ありがとうございました。
おまけ。
帰りのバスまで半日余った時間を利用して登った徳島市内の眉山頂上からの眺め。締めくくりも次回以降に取って置きたいほどの晴天に恵まれた。
・・・やはり、選んだ時期が良かったということですな。