午前三時のルースター

【著者】
垣根涼介(かきね りょうすけ)
【あらすじ】
 「慎一郎を,サイゴンに連れて行ってくれ」。
 一代で財を成した宝石商の社長から,破格の条件で孫のガイド役を依頼され,得意客のオファーと安易に引き受けたトラベルエージェントの長瀬。未来の経営者を期待され,妙に大人びた高校生の慎一郎は,4年前にベトナムで失踪した実父への思いを,今も捨てきれずにいた。出発前,意外な事実を慎一郎から告げられた長瀬は,今回の旅行に特別な思いを抱く。現地ガイドの協力を得ながら,二人が言葉の通じぬ南国で見た父親の真実とは。
 第17回サントリーミステリー大賞受賞作。
【お勧め度】
★★★★★(5/5)

 やや強引な展開ながらも,シンプルな文体,魅力的な登場人物。車,バイク,カメラ,時計など,モノ好きには堪えられない脇役を散りばめながら,爽やかながらも切ないラストまで一気に読ませます。この作品をハードボイルドというならば,私は大好きですね,ハードボイルドが。誰にでもお勧めできる一冊です。

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