一つのヤマを乗り越えた。
そのヤマを乗り越えれば後は下り坂で楽ちんだろうと高をくくっていた。
そこ待っていたのはゴツゴツの岩場。遠くには更に高い峰々が見える。
やはり足許を見ながら,一歩一歩進むしかないのか。
考えの浅さ,見通しの甘さ,学習能力の欠如。
でも横を見れば同じ方向に歩いている人がいる。
振り向けば背中を見ている人がいる。
時には方位針を貸してくれる人がいる。
何はともあれ頑張ろう。
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「おや,珍しくしおらしいな」
「あ,誰かと思ったら目黒川先生!」
「久しぶりでんな。最近はどないでっか」
「昨日,30年勤続の賞状,貰っちゃったんですよ」
「あんさん,そんな紙一枚で頑張れるんでっか」
「はあ,"単純"が服着てカバン持って歩いてるような人間ですから」
「さよか。わてなら現ナマ積まれたところで,もう一声!てなもんや」
「それはそれで単純明快かと」
「あんさんも本音を言わな,あきまへんで」
「じゃぁ,代理人つきで1箇月の休暇と100万円の軍資金が欲しい!」
「それ,わても乗らしてもらいま!」