その昔,ロッキー事件が発覚し,クォーツ時計が普及し始めた頃,私は学校を卒業し,ある工場で働き始めました。学校の就職斡旋で世話してもらった某時計メーカーの一次下請け企業M社の製造部門で,時を刻むムーブメントを包む「時計ガワ」と呼ばれる部分を作っていました。簡単に言えば腕時計の”ケース”にあたる部分ですね。
あのピカピカ光る「時計ガワ」は,ステンレスや真鍮の延べ板からプレスで型抜き・成形,旋盤で粗挽き,バフで研磨などの工程を経て出来上がるのです。私が担当していたのは型抜き・成形のための「プレス金型」の製作でした。旋盤,ミーリング,研削盤,焼入れのための電気炉などが並ぶ金型製作部門は油臭くて殺風景そのもの。その工場で私が貰った個人のものといえば小さな引出し一つでした。「ここに君の使う工具を入れてね」
結局,M社を約1年で辞めて,次の年の4月,私は今勤めている会社で設計の仕事を始めていました。入社したその日に自分用の事務机,椅子,製図板を貰ったときの嬉しさは今も覚えています。新入社員の日々,図面を描いたり計算をするのに学校の知識がまるで役に立たず,夜間の専門学校に通ったり,納期のプレッシャーから精神的に不安定になったり。今,思い返せば顔から火の出るような仕事の何と多かったことでしょう。
そして近々,勤続30年を迎えようとしています。会社でお祝いをしてくれるそうです。といっても入社して30年経つなんて自覚が無いし,お祝いと言えば普通は嬉しいものですが,嬉しいというより何とも言えない気持ちです。ゴールが目前に来てるぞ,と宣言されるのですから。
会社の偉いさん達へ!
賞状も記念品も昼食会も要りません。代人付きで1か月の休暇をお願いします!
先日、同僚と 「 10年勤めたら、10日くらい休暇くれないもんかね~。 」と、ボヤいてたところでした。(笑)
勤続30年!?
1ヶ月の休暇、あげたいですっ!
健康でお祝いできますように。
こちらこそはじめまして!
長いような短いような,何の成長もしていないような・・・
でも,まだまだ面白いことがあるような・・・
いい年したおっさんにもかかわらず,いろいろな気持ちが交錯しています。
おかげさまで健康だけは維持できているので
このままの勢いで働いたほうがいいのかもしれません。(笑)
ありがとうございました。