過去を振り返ると、うつ病を発症した人を職場で何人か見てきた。
正直に言ってしまおう。その人たちのことを「心の弱い人」、原因は「疲れやストレス」と勝手に解釈していた。
失礼にもほどがある。
浅はかな思い込みだった。この記事を読んで目から鱗が落ち、考え方を改めねばと猛省した。
◆ ノーベル賞級の大発見!ウイルス研究者が疲労・うつの謎にたどり着いた理由(DIAMOND ONLINE)
うつ病の発症には、原因物質があるというのだ。
それは人の身体に潜伏しているヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)が持つある特定の遺伝子(SITH-1)で、そいつが人間のストレスを跳ね返す力を低下させることで発症するという。
今のところ研究段階だが、うつ病はその人自身に原因があるのではなく、幼児のときに外から入り込んで寄生したウイルスにより引き起こされる……、そう考えられるらしい。
今後、予防や治療の方法論や薬の開発につながるとすれば、人類にとって大きな朗報であり素晴らしいと思った次第。
発見したのが日本の研究者であることも誇らしい。
そこで、併せて先述DIAMOND ONLINEから発見者の東京慈恵会医科大学/近藤一博教授の言葉を引用しておきたい。
・SITH-1遺伝子は人類の進化に貢献してきたのではないか。
・クロマニヨン人がネアンデルタール人を駆逐して現代人類の祖先になれたのは、ヘルペスウイルスのおかげだと思っている。
・彼らは、ウイルスがもたらすストレスや不安解消のため集団生活を始めるなど、生き残りに有利になるよう進化させられたのだ。(以上は意訳)
そんなウイルスでも決して悪と決めつけず、広い視野で捉えている。
なんと知的で奥深い思考であることか。
ちなみに、若い頃に帯状疱疹を患ったことがあり、妙な言い方だがヘルペスウイルスには親近感を持っているので余計に共感する。
そして時節柄、コロナにも触れる。
・だから私は、新型コロナウイルスのような感染症のウイルスは嫌いです。しょうもない病気を引き起こして、駆逐されてしまう。まったくウイルスの風上にも置けない(笑)
フム、ウイルスも十把一絡げではなく、品格に差があると……
閑話休題
改めて、研究者の方々に感謝しご尊敬申し上げます。
浅学非才で日々反省することばかりですが、おかげさまでこの年まで健康で生き永らえております。
以上
なお、先述DIAMOND ONLINEのほか以下のサイトを参考にさせていただきました。
- 東京慈恵会医科大学_ウイルス学講座_最新!疲労・ストレス講座 14
- 菊池中央病院_しばしば体内で再活性化するヒトヘルペス6型(HHV-6)
- ひだまりこころクリニック_うつ病の新たな原因!【それは疲労の奥に潜むHHV-6型のヘルペスウイルス】