この世に一人で生きている人間はいない

最近SNSで、ある知り合いの書き込みを見て考えた。

 

当人は高血圧らしく、客観的に見て高い数値と薬(おそらく降下剤)を飲んでいないことを堂々と文字で晒していた。

photo / pixabay

 

さすがにオイオイと思ったので、やんわりとコメントで指摘するとさっそくレスポンスがあった。

 

曰く

  • 「確かに血圧は高いが気にしていない」
  • 「死にたいわけではないが、長生きする目的も見出せない」
  • 「長生きするための節制や苦行を自分に強いる気もない」

 

 

延髄反射で「いいね!」を押してしまい瞬時に後悔した。

見栄か虚勢とは思ったが僅かな本気も感じ、最後に残ったのは大人げないという感想だった。

 

 

 

そこで思い出したのが、昔々、学校の教授に不義理をしたことだ。

教授の個人的つながりで就職を世話してもらったにもかかわらず、入社8か月で何の相談もせずに辞めてしまった。今思い出しても冷汗が出る。

 

さっそく呼び出されるも、理由に気付いていない筆者に教授は語る。

「いいかい、この世に一人だけで生きている人間はいないんだよ……」

 

顔をつぶしたからには本来怒鳴りつけられてもしばかれてもおかしくないところ、僧侶になるか迷った末に教職を選んだと噂だったI教授は、くちばしの黄色い世間知らずで礼儀を知らない若造を粛々と諭してくださった。

 

これは効いた。仏教でいう諸法無我だ。

 

しばらく後に「ありがとうございます」や「お陰様で」が口から出るようになったのはそれがきっかけだと思う。己の在り様が周囲に及ぼす影響も考えるようになった。

 

photo / Unsplash

 

体調を崩したり、極論だが介護が必要な容態になれば、自分が辛いだけでなく家族や周囲にかける心労、負担は計り知れない。

 

僅かな経験値を盾に偉そうなことを書いたが、世話になった知り合いだけに一皮むけることを願わずにいられない。

 

 

 

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