【注意喚起】ギターを弾く人がBONDIC®を爪の補修に使う場合は自己責任で!

今日は、液体プラスチックを専用LEDライトで硬化させる接着剤「BONDIC®」についてです。

今回、知人に教えられてBONDIC®を初めて手に取り、ギター演奏で傷んだ爪の補修と補強に試してみたらとても使い勝手が良いので、思わず片手ガッツポーズが出ました。

 

その一方で、薔薇に棘ありではありませんが、「硬化時の発熱」という思わぬ伏兵が潜んでいたので、本稿ではそのあたりも含めて語ってみます。

 

 

1.注意喚起(2020/11/20時点)

まず、BONDIC®に関して、主にギタリストに向けた筆者なりの注意喚起から。

  1. BONDIC®は、液体プラスチックが専用LEDライトの照射で硬化するとき、瞬間的な発熱があります。
  2. 現時点では、当該発熱に関して情報が充分とは言えません
  3. 販売代理店((株)Spirit of Wonder)は、問い合わせに対して皮膚や爪への使用は控えること、若しくは自己責任での使用を推奨しています。
  4. ギタリスト諸兄、諸姉が爪の補修や補強に使用、又は使用を検討している場合は、硬化時の発熱を念頭に置くことをどうぞお忘れなく。

 

筆者は、実際にBONDIC®を右手爪の補修に使って、すでに何度か発熱を経験しています。

発熱は大概「アチチ!」程度だし、感じたときにはピークを過ぎている瞬間的なものですから、今のところ爪の変質や火傷のようなダメージはありません。

※BODIC®で補修した右手薬指の爪(クリックで拡大)

 

・・・とは言え、当然ながら熱の感じ方や耐性には個人差があります。

万が一爪や皮膚にダメージが残るようなことがあっては元も子もありませんので、あえて冒頭で注意喚起する次第です。

 

 

2.販売社、メーカーのスタンス(2020/11/20時点)

BONDIC®自体はアメリカの製品のようで、日本では (株)Spirit of Wonder が販売しています。

 

上に「情報が充分ではない」と書いたのは、同社サイトの中で発熱に言及しているのがFAQ(よくある質問)の一項目のみだったからです。

Q:紫外線を当てたとき、化学的にはBondic®液にどんなことが起こっているのでしょうか。

A:Bondic®は液体分子または液状の「プリプラスチック」で、紫外線を当てると結合し、皆さんが日常よく目にする硬いプラスチックになります。
 分子は互いに引き合っていますが、液状のため分離しています。そこへ紫外線が当たると液体が分解され、分子は本来の特性にしたがって整列します。つまり、プラスチックになるわけです。
 通常、この反応は熱や射出成型で起こりますが、それを光で行っています。分子が整列する動きでBondic®内に一瞬熱が発生します。多めに塗布した場合、蒸気や煙が見えることがありますが、それらは発生した熱で蒸発したものです。

(株)Spirit of Wonder社の「よくある質問」より抜粋

 

上記のように、発熱があることをFAQで明言してはいるものの、あまり目立つ書き方ではないし、また、スターターキットなどの購入者が手にする取扱説明書は、発熱について触れていません。

◆取扱説明書
http://bondic-japan.com/wp/wp-content/uploads/pdf/BONDIC_manual.pdf

 

また、製造側(?)から安全性データ(MSDS)も公表されていますが、残念ながら英語版しかないので内容は未確認です。
https://notaglue.com/pages/material-safety-data-sheet
https://drive.google.com/file/d/1jAXSsTIHnoxkQiAx5oCVSj8ZYIW9cEVi/view

 

 

3.販売社に聞いてみた(2020/11/17の回答)

上記のようにあまりにも情報が少なかったので、データなどの有無を含めて (株)Spirit of Wonder  に問い合わせたところ、翌日には丁寧な回答が返ってきました。

 

予想どおり一番の主旨は、「皮膚や爪への使用はお控えください」とのことで、以下のように理由ほかが説明されていました(要旨を抜粋し意訳)。

  1. BONDIC®は、食品衛生法に適合していないので食品衛生にかかわるものには使用できない
  2. 硬化時間が速いため、火傷の危険がある温度まで発熱するおそれがある
  3. 紫外線を含む太陽光でも硬化し、同程度の発熱があると考えている
  4. 発熱の温度、継続時間、LEDライト照射との相関などに関するデータはない
  5. 発熱なしで硬化させる方法もない
  6. 発熱に関する情報は、今後拡充(サイトへの追記など)する予定である
  7. 皮膚や爪への使用は控えられたい、又は自己責任で使用されたい

 

2.は、やや意味が取りにくいですが、こちらの意図を汲み取って好意的に回答してくださり、疑問だったことは概ね分かりました。

 

要するにBONDIC®は、そもそも人体への使用は想定外のようです。

 

最近は、歯の治療に光硬化樹脂が使われていたり、一般工作用のものがDIYストアやamazonで入手できるなど、世の中を広く丹念に探せば筆者の目的に合ったもの、つまりBONDIC®と同じような使い勝手、物性、コストで発熱の少ないもの、皆無のものに出会えるのかもしれません。

そのあたり、現時点ではこれからの課題にしておきます。ちょっと楽しみかも。

 

 

4.BONDIC®の使用に至る経緯

順番が前後しますが、筆者とBONDIC®の関わりについてです。

 

筆者は、趣味でクラシックギターを弾いています。

ギターは、ナイロン弦、スチール弦を問わず指で弦を弾くと爪には相当な負担がかかり、時には爪の先端部に割れや削れが生じることがあります。

ギターを一生懸命に弾いている人は、プロ、アマにかかわらず爪のメンテナンスや強化策に、日々涙ぐましい努力と工夫に明け暮れている、と言っても過言ではありません(大汗)。

 

そんな中で、筆者の場合は現在、Dr.Nail DEEP SERUM(浸透補修液)kaina ザ・ギタリスト(マニュキア)瞬間接着剤が「爪ケア三種の神器」になっています。

        

 

それぞれの使用目的や使い方は省略しますが、この3点の合わせ技でなんとか安定した音質と弾き易さを維持していまして、コンサート前などクリティカルな時期には、爪を如何に良い状態に保つかで日々戦々恐々とするわけです(ちょうど今がそこなんですがね(大汗))。

 

そんな中で4点目として加わろうとしているBONDIC®。

ギター仲間に「アレ、いいらしいですよ」と聞き、(ひょっとして決定版?)と期待しながら試しにスターターキットを買ってみた・・・

・・・そんな経緯です。

 

 

5.実際に使ってみて

メリット、デメリットを挙げてみましょう(あくまで個人の感想です)。

(1) メリット

  • 硬化したプラスチックの物性が爪に近いので、ギターの音色を損ねない
  • 硬化前の液体プラスチックは、爪に塗るのにちょうど良い粘度
  • 専用LEDライトを当てて数秒で固まる(秒単位の即時性)
  • 塗り重ねることができる(厚みを調節できる)
  • 透明である(男性でも違和感がない)

 

(2) デメリット

  • 硬化するとき、瞬間的な発熱がある
  • 爪に使った場合、水に弱い(水に浸かると剥がれ易くなる)
  • コスト高

 

メリットのうち音色を損ねないという点は、ギター弾きにとって大きいです。

瞬間接着剤のようにカチャカチャ音は出ないし、紙やすりで磨くとツルツルになるので、爪単体と同じような綺麗な音が出せるのは魅力です。

 

また、LEDライトを当てない限り硬化しないのも大きなメリットです。

塗る範囲、厚さ、形を時間に追われることなく余裕をもって調整できるので、筆者のような凝り性な人間が凝りたいだけ凝れる・・・、これは大きいです(笑)。

ただし、自然光でも硬化するようなので、屋外での使用には注意が必要かもです。

 

デメリットは、発熱のほか水に弱いのが難点ですね(これは、爪限定かもしれませんが)。

例えば、昨日塗ったものが今日、水仕事をしたら剥がれてきた、風呂に入ったら取れてしまった、ということもあります。

(※こちらのBONDICサイト(米国版?)のFAQには、「液が硬化したあとは耐水性あり」と書かれています)

 

これは、BONDIC®が接着剤より充てん剤に近いものであることと、爪との熱膨張率の違いが関係していると自分なりに解釈しました。

また、爪は水分で膨張・収縮しますから、その影響で剥がれ易くなるのかもしれません。

 

どちらにしても、液体プラスチックと接着面を如何にして強固に一体化させるかがポイントなので、販売社が推奨する「接着面の油分を除去」し「接着面を紙やすりなどで荒らす」のは、耐久性を延ばすには有効でしょう。

 

 

6.使用が自己責任なら自己対策はいかに

以上のように、販売社は「皮膚や爪への使用は自己責任で」と言っているものの、ギタリスト目線での使い勝手の良さから第4の道具としてBONDIC®は諦めきれません。

そこで、自分なりの対策を考えてみました。

 

硬化する際の発熱は、前述のように体感としては瞬間的なものです。

あくまで販売社のFAQ情報と使用した経験からの推測ですが、熱の発生時間は0.5秒以下、温度は60~90℃程度ではないかでしょうか。

「アチチ!」となってフーフーしたときには、すでに終わっている感じです(爪という場所だけに、気持ちの良いものではありませんが)。

 

液体プラスチック自体は、LEDライトを当てて発熱した時点ですでに硬化していると思われるので、手の爪であれば作業場所の近くに水を張ったバケツを用意、あるいは蛇口のそばでスタンバって、熱さを感じたらすぐに水で冷やすというのは考えられる手法だと思います。

 

・・・とそんなことを考えましたが、いずれにしても安全性の保証はありません。もし試されるなら、何かあってもワンちゃん猫ちゃんのように舐めて治す覚悟で使いましょう。

オホン、冗談です。失礼しました。

 

 

7.まとめ

光で固まる物質(光硬化物質というらしい)や接着剤を一般人が入手して使える時代。素晴らしいと思います。

今回、BONDIC®を入手し、光を当てるとほぼ瞬間的に固まって強度が出る接着剤を目の当たりにして(こんなものが今の世の中にはあるのか!)と驚きました。

そして、たとえそれが発熱という副産物を伴っていても、爪を大事にするギタリストにとって福音になる可能性を秘めていることが分かったのは大きな収穫でした。

 

ということで、もし筆者のような使い方をお考えなら、あくまで自己責任の範囲で、身体以外でテストするなどして事前に確認することをお勧めします。

以上です。

 

 

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