缶チューハイ(酎ハイ)の晩酌をやめたわけ

筆者にとって晩酌は大切な生活習慣で、休肝日を潔しとしないポリシーはここ数十年間揺らいだことがありません。

 

 

…………ここで いきなり蛇足です。

筆者の場合、γ-GTP、尿酸値、血圧、コレステロール等々の指標は、同じく数十年間ほぼ正常値の範囲内でしてね。自己弁護と訪問者諸氏のモヤモヤ解消のため、あらかじめこっそりとご報告しておきます(大汗)。

 

……で、タイトルの話に戻りますと、ここ1〜2年は日々の晩酌に缶酎ハイを愛飲していました。

 

それをこのたびは思うところあって、以前定番にしていた缶ビールの類(発泡酒、新ジャンルを含む。以下同じ)に戻しましてね。

 

 

缶酎ハイの方が1本単価が安いしアルコール(以下、Alcと略します)度数も高いからいいじゃん……、ビールより味や香りのバリエーションも多いし……、との声も聴こえる中でなぜ敢えて日々のデフォルトを缶ビールに戻したのか。

 

今回はその理由や周辺事情を、Alc飲料に対する筆者の考え方を織り交ぜて整理しながら、「缶酎ハイ」というものの正体に迫ってみたいと思います。

 

 

1.そもそも缶酎ハイとはなんぞや

  • 「酎ハイ」とは、よく知られているように焼酎ハイボールの略称であり、一般には甲類焼酎を炭酸で割って果物などのエキスで味付けした飲み物のこと。「ハイボール」とは、Alc含有か否かを問わず炭酸で割った飲み物全般を指す。
  • 酎ハイを東京23区に当てはめると、西より東、山の手より下町、恵比寿より北千住、アヒージョよりもつ煮込みがしっくり似合う庶民派を代表する飲み物と言えよう。
  • そんなフレンドリーな酒をアルミ缶に詰め流通しているのが缶酎ハイだ。最近のスーパー、酒店では、缶ビールを駆逐するかと思えるほどポピュラーな存在になっている。
  • ちなみにAlc系の缶飲料を1本単価で並べると、
      缶ビール>発泡酒缶>新ジャンル缶>缶酎ハイ
    となり、缶酎ハイは懐にも優しい。

棚を賑わす数多の缶酎ハイ。これらはみな誰かの腹に収まってしまうのだな〜


 

 

 

2.筆者が缶酎ハイを飲み始めた理由

  • ある時、缶酎ハイは缶ビール類より安くてしかもAlc度数が高いことに気づき、これだ!と思って切り替えた。ちょうど各メーカーのバリエーションが増え始めころだ。
  • そしてこれを言っては身も蓋もないが、今思えば(安く早く酔うには缶酎ハイだ!)とその時期、なぜか血迷っていたような気もする。
  • 加えてビールの糖質云々、プリン体云々も気になっていたかもしれない。一応身体のことも頭にはあるので。

 

 

 

3.単位金額あたりのAlc量を評価する「You値」

  • 意識低い系の考え方なのであまり論じたくはないが、これを抜きにして缶酎ハイを語ることはできない。
  • それは、その酒をある金額分飲んだとき、どれほどのAlcを摂取することになるのか、すなわちどの程度酔えるかという概念。
  • ここでは便宜的に「You値」と呼ぶことにし100円あたりで評価する。読みはユー値ではなく当然 ヨウ値 だ。
  • 計算式は、
    You [ml/円] =( 内容量 [ml] × Alc度数 [%] )÷ 1本の値段 [円] × 100
     
  • 早い話You値は、Alc飲料のコストパフォーマンスを表すものでもあり、その値が大きければ大きいほど安価かつ早く酔える酒となる。
  • ただしこの場合「パフォーマンス」の意味するところは、純粋にその酒の 酔い性能 だけだ。香りや風味、口当たり、喉越し、酔い心地、雰囲気ほかを含めて酒の総合的な価値ではないことに留意されたい。
  • 実はここだけの話だが、You値は消毒用アルコールでも評価することができる凄い指標なのだ。ただし、それって意味あんの?という話ではある。

 

 

 

4.身近なAlc飲料のYou値を比較する

缶入りのAlc飲料を比較してみた。条件は以下による。

  • 一つのスーパーに限定して棚に置いてある350ml製品を比較した。
  • たくさんの銘柄がある中で、よく知られている代表的なものに絞った。
種別 内容量 [ml] Alc度数 [%] 値段 [税抜円] You値
[ml/100円]
缶ビール
(一番搾り)
350 5.0 198 8.8
発泡酒缶
(淡麗極上(生))
350 5.5 138 13.9
新ジャンル缶
(麦とホップ)
350 5.0 115 15.2
缶酎ハイ(タカラ辛口チューハイ) 350 7.0 98 25.0
缶酎ハイ(STRONG ZERO) 350 9.0 108 29.2

こうしてみると缶酎ハイのYou値の高さは、頭ひとつ抜けているのが分かる。

また、正統派の缶ビールがいかに割高な飲み物かも見え、逆に割高と分かっていても何かにつけて飲みたくなるビールの魅力が再認識できる。

 

参考としてその他のポピュラーな酒類も比較してみる。ワインは、ご承知のようにピンキリなので除外した。

種別 内容量 [ml] Alc度数 [%] 値段 [税抜円] You値
[ml/100円]
乙類焼酎(黒霧島紙パック) 1800 25.0 1680 26.8
ウイスキー(ホワイトホース瓶) 700 40.0 972 28.8
日本酒(菊正宗ピン辛口紙パック) 2000 14〜15 998 29.1
甲類焼酎(キンミヤ紙パック) 1800 25.0 1350 33.3
甲類焼酎(極上宝焼酎紙パック) 1800 25.0 1238 36.3

こちらでも甲類焼酎が最もYou値が高く、そもそも焼酎は安く手っ取り早く酔える酒であることがわかる。これを原材料に使った缶酎ハイも推して知るべしだ。

 

 

 

5.缶酎ハイのメリット

  • ここまでしつこく語ってきたように、缶酎ハイはYou値が高い。すなわち値段が安く酔いも早い手っ取り早い酒だ。
  • また、蒸留酒系のAlc飲料らしく酔い心地がすっきりしていて、醸造酒ほど翌日に残らない(これは個人差あり。また、適量前提ということで)。
  • そして、味や色、パッケージデザインのバリエーションが驚くほど豊富で、口当たりもかなり研究されているから飽きることがない。
  • 種類としては、基本のレモンを始めとする(1)柑橘系。葡萄、桃、林檎などの(2)その他果実系。コーラ、ラムネ、カルピスなど(3)清涼飲料系。シャルドネのような(4)ワイン系。玉露、抹茶などの(5)お茶系(シャレだ)。これらに加えて定番の(6)梅と(7)ドライ。これでほぼ網羅できただろうか。

これが筆者のお気に入りだったビターレモン9%。酸味、苦味、甘みが程よくバランスしてうまい。

 

ついでに缶飲料としてのメリットも挙げておく。

  • 冷蔵庫から出して、ステイオンタブを起こすだけですぐ飲める。
  • プシュッ!、という開栓音の爽快さ(缶ビールには劣るが)。
  • アルミ缶はリサイクルの面で安心感、貢献感がある(直近5年間、アルミ缶のリサイクル率は90%台を維持しているそうな)。

 

 

つまり缶酎ハイは、早い、安い、旨いの三拍子そろった、とてもよくできた庶民派のAlc飲料と言うことができる。

その一方、缶酎ハイには、筆者の知る範囲でAlc.度数3〜12%のものがあり、最近は「ストロング系」と呼ばれる9%のものが主流だ。つまり客観的には、4〜6%が主流の缶ビールに比べて2倍程度Alcが強い缶飲料なのである。

 

その前提で、続いて缶酎ハイの暗黒面を見てみよう。

 

 

 

6.缶酎ハイのデメリット

  • 缶ビールの刷り込みがある人やAlc耐性の高い人ほど、渇いた喉を潤す感覚でグビグビ、ゴクゴク飲みがちである。
  • また、炭酸飲料特有のシュワシュワした刺激と甘い系の味付けが追い風となって、概して個人の適量よりたくさん飲んでしまう。
  • 缶飲料の特色から、いったん開封すると保存はし辛い。勢い飲み切る心理が働き、これも飲みすぎの一因となる。
  • そしてある期間続けて飲んでいると、Alc度数が高い飲み料という感覚が次第に薄れ、気が付けば強い缶酎ハイを缶ビールと同じようなペースで飲んでいた、ということになりかねない。
  • このあたりが、ここ数年ささやかれている缶酎ハイの危険性である。

この製品は、さすがに見かけなくなった。筆者も1本飲んで身の危険を感じてやめた。ワインと同じ度数の酒を缶入りで販売しちゃいかんだろ。

 

 

 

7.缶酎ハイの販売拡大を危惧する声

ネットニュースから集めてみた。

各々読んでいただければ分かるが、特にストロング系酎ハイに関して厳しい意見が多い。中には、クオリティ面で「味の付いたエチルアルコール」と言い切る専門家もいる。

 

押し並べて論調としては、現実にAlc依存症を増やす要因となっているので、自制的な飲み方の啓蒙と併せて税制などを含めた抜本的な見直しが必要、とまとめられるだろう。

 

 

 

8.まとめ

延々書きましたが、このたびの筆者の方針転換は、上記6、7の暗黒面を背景として、「酒」とは良い関係で長く付き合いたいという気持ちと願いが具体化したと言えるでしょう。

缶ビール、と言うよりもAlc飲料全般の健康面への影響は、晩酌の種類を替えることとは別に考えないといけないですね。意識低いのもいい加減にしなきゃいけない年齢だし。

 

本稿を書きながら見たネットニュースの中で、「酒は、酒らしい味であるべき」という意見を見かけました。大いに賛成です。

また、それを書いた方は、ストロング系酎ハイについて「危険ドラッグとしての規制」とも書かれていました。

極論ではあるけど、一方で現在の「缶酎ハイ」というものの一側面を表していると思います。

 

でも、飲兵衛としては、好きなものが危険物呼ばわりされるのを看過するのは忍びない。

忍びなくはあるが決して飲み物自体が悪いわけではなく、それを手にする人間の側に落ち度があるのです。

 

頭の良い人が考えれば、また知恵を出して工夫すればいろいろな策はあるでしょう(例えば容量の少ない缶で販売するとか)。

缶酎ハイの作り手、売り手、飲み手それぞれの立場で、より良い付き合い方ができる酒として育てていければいいな〜と思う昨今・・・、ということでまとめとします。

 

おしまい

 

 

 

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