独自の視点でYouTubeのギター映像を紹介する「ギターの神様」シリーズ。
早くも第13弾、Vol.4に続く2度目のデュオ特集です。
全3本のうち2本は、最近注目している、というか個人的にハマっているブラジルのパフォーマーもの。あとの1本は見てのお楽しみということで、下へ下へとお進みください。
なお、もともとナイロン弦ギターで育った筆者が、その素晴らしさをガチンコでお伝えしようとする本シリーズ。土俵際の徳俵一個、ギリギリのところでそのコンセプトを維持していますので、Vol.13ともなりますと意識の外で変な方向に逸脱していないとも限りません。
ぜひ本稿を最後までご視聴いただき、もし「ち~が~う~だ~ろ~」みたいなご意見、ご感想がありましたら、ぜひぜひコメント欄にお願いいたします(笑)。
Cainã Cavalcante e Michael Pipoquinha – Rei Arthur
ケイニャ・カバルカンテ(g)
マイケル・ピポキーニャ(el-b)
二人ともブラジルのミュージシャンであることは間違えないが、出自、経歴、バックグラウンドなどに関して詳細な情報はない。
それでもまずはお聴きあれ。南米のミュージシャン特有の超絶テクニックに加え親しみ易さ、歌心、郷愁などブラジル音楽のエッセンスが満載だ。
特に6弦el-bのピポキーニャは、まだ若いだけに今後一気にブレイクするポテンシャルを秘めたベーシストと見た。
Duo – “Samba Dobrado” by Romero Lubambo & Cesar Camargo Mariano
ホメロ・ルバンボ(g)は、1955年リオ・デ・ジャネイロ生まれ。地元の音大を卒業しアストラッド・ジルベルトのバックも務めた実力派だ。数多のアーティストとの共演で鍛えた稲妻のようなフィンガリングとジャジーなセンスが魅力。
一方のセザー・カマルゴ・マリアーノ(p)は、36歳の若さでこの世を去ったブラジル屈指の人気歌手エリス・レジーナの二番目の夫である。二人の娘マリア・ヒタもまた当代の超人気歌手と聞けば、人の才能も競走馬と同じく血統次第と強く納得する。・・・話のレベルが下がり面目ない。
さて、アコースティックなg&pのデュオなんて成り立つの?という余計なお節介は、この演奏を聴けばどこかへ飛んで行くだろう。音速でビシバシ弦を弾くルバンボの右手。それに応えてマリアーノの両手が鍵盤上で躍動する。
サッカーブラジル戦にも似た羨望を感じるのは、筆者だけだろうか。
井上陽水×タモリ ギター漫才「コーヒールンバ」
”コーヒー・ルンバ”。それはそれは古いヒット曲であり、何を隠そう筆者が所属するギタークラブの十八番でもある。YouTubeでは、本家本元の西田佐知子から工藤静香のカバーバージョンまで聴ける。それほど日本人にはお馴染みの曲だ。
それはさて置き、ここでは陽水とタモリによる珠玉の掛け合いを取り上げた。タイトルは「漫才」だが敢えて「掛け合い」と言わせていただく。一つの流行歌だけでこれだけ馬鹿馬鹿しくも機知に富むやり取りができるのは、やはりこの二人しかいないだろう。
アンドレ・カンドレ時代から半世紀近くも歌を極めて来た陽水。一方のタモリは、代わりのいない孤高の芸風で出自の博多から現在に至る。
一芸に秀でる意味で陽水、タモリもまた筆者にとっての「神様」なのだ。