半世紀近く前の演奏会で弾いた曲とその時の思いとは

今回は、筆者の若かりし頃のギター演奏をお聴きいただきます。

 内容は、我が母校の「古典ギター研究部」の半世紀近く前の定期演奏会でありまして、先日、八ヶ岳山麓に当該クラブの先輩を訪ねた折に、一緒に行った同窓のB氏が持ってきてくれた写真及びデジタルデータから厳選(笑)しました。

 ちなみにオリジナルの音源は、四十数年前の録音テープ(オープンリール!)で、音質は雑音たっぷりの前時代的なものでした。

 今回、文明の利器、デジタルの力(音声編集ソフト、後述)を借りて若干の編集と底上げをしましたので、なんとか聴き取れると思います。

 

 さて、当時の学生の素朴な演奏会の雰囲気を少しでも味わっていただければ幸いです。

 

 

1.ジーグ(マヌエル・ポンセ/組曲イ短調より)

 

 いきなり筆者のソロ。メキシコの作曲家ポンセがセゴビアのためにS.L.ヴァイス作曲として発表したギター弾きにはよく知られた組曲の終曲です。

 これを聴くと、この時が自分のギター人生のピーク、かつテクニック的にも天井を感じてしまい、何とも言えない気持ちになります。

 出だしから指がもつれているし全般に荒い演奏に終始していますが、手前味噌を覚悟で言えば、今では考えられないほど指が動いているし、それなりに思いのこもった演奏ではないか、・・・なんて。

 自分の楽器ではなく、当時の後輩S氏の「河野賢」を借りてステージに臨んだことも懐かしく思い出されます。よく音が伸びて弾きやすい良い楽器でした。

 しかし、今思えば上がり症の若輩が大勢のお客様を前にしてステージ上でソロを弾くのに、よくこんな難しい曲を選んだものだな~と。怖いもの知らずだったな〜と

 ミスりながらもなんとか最後まで弾き通せたのは奇跡に近く、いわば火事場の馬鹿力的なものが、その時だけ宿ったのだろうと回想する次第です(汗)。

 

 

2.シチリアーノ(J.S.バッハ/フルート・ソナタ変ホ長調より)

 

 一般にはフルートとチェンバロの演奏で知られるバッハの名曲を、アルトG2台+バスGのトリオで演奏しています。

 大バッハではなくその息子の作という説があるくらい、緻密なJ.S.バッハの作品とは思えない抒情的な響きを持つ美しい小品。ギターに限らず筆者の好きな曲のひとつです。

 この演奏は、当時神様のように見えた先輩3人によるものでありまして、今風に言えば「パシリ」だった1年生の筆者は、当然ながら参加していません。

 実は、この4年後に筆者世代の同輩3人でこの曲を同じアレンジ、同じ編成でやりましたが、どうあがいても大先輩には敵わない・・・、と悔しくも気付いた(筆者だけかもしれないが)のを思い出しました。

 ・・・という次第で、このたびは先輩諸氏に敬意を表してのアップとご理解ください(大汗)。

 

 

3.交響曲第40番 第一楽章(W.A.モーツァルト)

 

 モーツァルトの作品の中でも「アイネクライネ」、「トルコ行進曲」と並ぶ有名曲ではないでしょうか。プライムGのほかにアルトG、バスGを入れた18人編成で演奏しています。

 この曲、当時「哀しみのシンフォニー」という題名のポピュラーとして流行っていました。確かシルビー・バルタンでしたね。

 筆者はプライムの3rdパートだったと記憶していますが、そんな名曲の演奏に数年前までは音楽に縁もゆかりもなかった自分が参加できるなんて、と感激しながら弾いたのを覚えています。・・・純粋だったな。

 耳触りが良くギター合奏に無理のない部分だけに端折った編曲なるも、管のパートにアルトGを充てるなど、原曲の雰囲気を大事にしたとても良い編曲だと思います。演奏も上々の出来でした。

 

 

【まとめ】
 今になって大昔の自分の演奏をブログにアップするとは、懐古趣味以外何ものでもありませんが、古い写真&音源を大切に取っておいてくれたB氏と、今回使用した音声編集ソフトWavePad(個人使用はFree!)のような身近なIT技術に深く感謝します。

 お付き合いくださり、ありがとうございました。

 

 

 

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