ほぼほぼキレキレで大丈夫ですか

今回は、最近の気になる日本語について。

 カギ括弧を使えばなんぼか読みやすい今回のタイトルですが、「ほぼほぼ」と「キレキレ」は、筆者が(最近よく巷で使われるようになった)と感じる言葉です。

 学術的には「畳語」とか「繰り返し語」などと言われるそうですが、ちなみに日本語ばかりでなく中国語やアジアの言語にも同じような用例があるようです。

 そういえば、筆者がかつて駐在先で少しだけ馴染んだタイ語にも、「近い」を「近い近い」と繰り返すことで意味を強調する言い回しがありました。

 

 さて、「ほぼほぼ」は割と最近、一般的に使われるようになった言葉だと思いますが、最初に聞いたときは、かなり抵抗を感じました。それでも、3年ほど前に仕事でそれを連発する人と付き合って耐性を獲得したせいか、三省堂が主催する「今年の新語2016」に選ばれるほど広く使われるようになっても、それほど違和感はありませんでした。

 世代的には、どちらかというと20代後半以上の落着いた世代が使う言葉のような気がしますね。50代以上のオッサン、オバサンは、語彙が貧困、頭悪そうと受け取られかねないので、安直に使わないほうが良いように思えます。

 一方の「キレキレ」(形容動詞?)は、いかにも若い人が好みそうなスピード感があるので、スポーツ、ダンス、プレゼンなどへの褒め言葉には使い勝手が良さそうですね。車のウィンカーをLED電球に取り替えた人に、「キレッキレだね!」なんて持ち上げるのもアリです。瞬間的に若くなった気分が味わえそう。

 

さて、問題は「大丈夫」。

 本来の意味は「あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。」という単語を最近はどうも違う意味で使う人が増えているようです。

例を挙げてみましょう。
クリーニング取次店にて・・・

店員が客に要、不要を確認する場面で。
「染み抜きは大丈夫ですか?」(染み抜きはしますか?)

客の返答は(最近の用例)、
「大丈夫です」(しなくていいです)

筆者的には、
「ワシにゃ分からんけど、染み抜きで生地は痛みゃせんかね」
店員
「ウ〜ン(困った顔)」

 

・・・更に、

店員が客に許可を求める場面で。
「水洗いで大丈夫ですか?」(水洗いでよろしいですか?)

客の返答は(最近の用例)、
「大丈夫です」(よろしいです)

筆者的には、
「素人にゃそんなこと分からんから、持って来たんじゃろが!」
店員「アワワ(ドン引き)」

 

 実際にはもっと多くの意味で使われていると思いますが、筆者を含め用法の拡大に慣れてない人もいるので、「大丈夫」を使う時には真の意味を一言申し添えるか、ボディーアクションを併用するなど、聞き手の理解を思いやって使うのが吉と言えるでしょう。

 

それでは、まとめです。

 言葉は時代とともに変わって行くもの。新しく生まれた言葉、表現、用法が定着するのか、死語になってしまうかを正しく予測出来る人は居ません。
 また、それを「言葉の乱れ」と一言で片づけてしまうのは簡単ですが、太古の昔から少しずつ変化して現在に至る日本語を、仮に平安時代の人が見聞きしたなら、それを「乱れた言葉」と決めつけるでしょうか。むしろ新鮮に感じるのではないでしょうか。

 筆者としては、常に現れては消えて行く新語、流行語、若者言葉に抵抗を感じない訳ではありませんが、頭からそれらを否定するのも行き過ぎだと思っています。

 先に述べたように、人が喋る言葉こそいわゆる諸行無常、一箇所にとどまることなく常に変化して行くものです。むしろ、100年後、1000年後の日本人がどんな日本語を使っているか聴いてみたい、読んでみたい、そんな風に思います。

 

 ・・・なになに、これから先、人口減少が止まらないと予測されているのに、なにを悠長なこと言ってるのかって?

御意。

 タイムマシンを持っているわけではありませんから、あくまで現在の視点で言葉の変遷や人口の推移を、ハラハラ、ドキドキしながら眺めるに留めたほうが良さげ(最近は「良さそう」をそう言うらしい)ですね。

 それはそれでなんだかワクワク興奮しますが、筆者も寄る年波。心臓や血圧は「大丈夫」だろうか(笑)。

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