かくして追加された第二の目薬は・・・

昨日は、二ヶ月ぶりのアレであった。
一ヶ月ぶりのアレではない、一応男子なので。

 

アレとはこの場合、緑内障の定期検診を指す。

いつもの病院、いつもの眼科でのこと。

 

催眠術を掛けるのが目的としか思えない例の視野検査の後に、瞳先生はかく語られた。
「左目がね、進行しているので。Hさんまだお若いですし」

Hさんとは、もちろんワチキのこと。若いって♡。
眼圧をいま少し下げるが吉、と申し添えられた。

子羊のような患者は、「あい」しか返答を知らず。

 

かくして追加された第二の目薬。

「よく振ってからお使いくださいね」

院外薬局の薬剤師さんは意味ありげに口角を上げる。

 

そう、何やら白く濁っている。怪しい粉が混ざってイル。

賞味期限は大丈夫か(違う)。

 

家で差して緑内障患者は驚愕する。突然、霧の中に放り出されるのだ。

料理中、水溶き片栗粉が目に入るとこんな感じ?

それってどんな状況だ、と問うても意味はない。

 

これから毎日朝晩2回、カッコウの啼く薄霧の高原散歩を疑似体験することになろうとは。

そこで浮かぶ一句。

「差して知る 上がる口角 霧の中」

 

視野欠損との闘いは生涯続く。

逃げ切った方が勝ち。

 

どちらにしてもいずれ闇の世界はやって来るが、この闘いだけは敗者になりたくない。

【緑内障シリーズ】

 

 

 

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