今日は、Apple製品を使い始めてふと思いついたことを書いてみますね。
IT業界におけるAppleという企業、ブランド展開を見ていると、分野は全く違いますが観賞魚・水草育成用品のADAという会社が私には思い浮かびます。
ADAがどんな企業かは後回しにして、まず考えつく範囲で両社の共通点を挙げてみましょう。
- 他社とは一線を画す孤高の企業姿勢
- ライフスタイルの変化をも期待させる巧みなイメージ戦略
- ソフトとハードを関連付けて提供する販売戦術
- 高級指向が徹底された製品群
- 自社製品だけで目的を完結させるラインナップ
- ワンマン企業という側面
蛇足ですが、他社とは違いますけどそれが何か?ってちょっと格好つけたりするところも似てたりします。
両社に共通する企業としてのスタンスを分かりやすく表現すると、
「当社製品は、性能とバリエーションと価格が売りです!」という姿勢と、
「私たちは、お客様をエレガントな世界にお連れします♪」という姿勢の違いとでも言いましょうか(余計分からなくなった?)。
アクアデザインアマノ(ADA)は、写真家でもある天野尚氏が新潟県に設立した企業で、主に観賞魚や水草の育成器具の製造販売を手がけています。
一言で言えば熱帯魚を飼うための水槽や濾過ポンプなどを販売している会社で、その方面に関心のある人なら必ず知っている釣具におけるSHIMANOのような有名高級ブランドなのです。
同社は、観賞魚、水草の育成に関して「ネイチャー・アクアリウム」という新しい概念を提唱しました。
ネイチャーアクアリウム(Google画像検索)
「魚,水草,微生物が共存,共栄したガラスの中の大自然」と説明するとおり、水槽という限りある空間に天然の水中、自然の情景を再現するという、これまでになかった大胆な考え方でした。
それは、水槽の中に魚を泳がせ水草を飾って愛でるという趣味的、牧歌的な行為を、一気に「美しさの追究」,言い換えれば「芸術」へと昇華させようとする挑戦なのだと私は考えています。そうした思いに基づく表現は、侘び寂びにも通じることから徐々に海外でも認められつつあり、また最近では、東京スカイツリータウンの中に、4mと7mの水草水槽が採用されたりして、国内でも一般的なものになってきています。
一方で同社は、販売する製品の価格の高さを愛好家から批判されたり、時には「誰もがやっていることの目先を少し変えただけじゃないか」などと揶揄されたりすることもあります。
でも、私が知る限りこの20年来、同社の営業姿勢は一貫して変わっていませんし、むしろ、無断で模倣品まがいの品物を販売する業者に対しては、徹底して法的手段に打って出、そしてその結果を自社サイトで堂々と公表したりして、ブランドイメージを守ることには相当な力を注いでいます。
・・・ほらね。やっぱり似ているでしょ、あの会社と。
だからどうって訳ではありませんが、一方は時代の牽引役であるIT製品、もう一方は古くからある趣味の品物。全く違うものを生業とする企業とその手法に奇しくも共通点があることに気がついて、面白いな〜と思ったので書いてみた次第です。