今月は5冊手に取っていました。仕事がひと段落して少し余裕が出来たみたいです。
- 貫井徳郎「転生」★★★★★
- 心臓移植を受けた患者は、何をドナーから引き継ぐのか。
分厚い本だし、最初の方のわざとらしい文体に違和感を感じながら読み始め、いつの間にか没入し、中盤からは先が知りたくてdankogaiさんの向こうを張る斜め読みの速読(?)になっていた。面白かった。 - 百瀬しのぶ「おくりびと」★★★★★
- ノベライズと軽く見たのが大間違え。涙ボロボロの秀作である。
周囲の心無い偏見に迷いながらも、納棺師という職業を極めようとする主人公の真摯な思いに打たれる。映画は見ていませんがとても良い話でした。 - 北村薫「鷺と雪」★★★☆☆
- 最近には珍しく書店で求めて読んだ。
期待に外れぬ直木賞受賞作ではあるが、あまりの高尚さに読み手が試されているような妙な緊張感に陥る。私にとっては女性運転手「ベッキーさん」の魅力に尽きるシリーズ完結編。 - 藤原伊織「遊戯」★★★★☆(未完なので五つ星をあげたいけどあげられぬ無念)
- ネットゲームで知り合った本間透と朝川みのりは、自転車に乗った謎の男に付け狙われ・・・。
氏の遺作となった短編連作集である。この人の人物造形を真似できる作家を私は知らない。なんて魅力的な人間を描けるのだろう。新作にはもう出会えないかと思うととてもさびしいです。 - 村上春樹「ノルウェイの森」(上巻の10ページくらいでギブアップ)
- どうもこの人の小説は苦手だな。しばらく間をおいて再チャレンジするつもりです。
先月、読んだけど思い出せなかった一冊はこれでした。
- 朝倉かすみ「田村はまだか」★☆☆☆☆
- 同窓会の三次会がスナックで行われている。皆で待っているのは、あの田村・・・。
「吉川英治文学新人賞受賞作!」という書店のポップに誘われて手に取ったが、何なんだこのガックリ感は。読んだことを忘れるくらい印象が薄い。