電車の中の風景

 先々週から,東京都下と近郊に出向いての仕事が続いたので,近距離電車によく乗りました。行ったのは,立川,千葉,五井。

 何れも東京中心部から小一時間から1時間半くらい車中の人となります。そんな中,思わず凝視した若い人の行動を3つほど。

(1)食事
 座席がほぼ埋まり,立っている人がチラホラいる程度の乗車率。シートは,ボックスではなく進行方向に長いロングシート。7人掛けの中程に座った大学生風の男性が,握り飯をビニール袋から出し,ラップを剥いて優雅に食べ始める。コンビニのそれではなく,海苔の香り漂うお母さんの手作りお握り(風)。時おり,手にするペットボトルのお茶が如何にも美味しそう。
 対面のシートに座った老若男女7人がそれを見ている。
(2)化粧
 座席は,同じくロングシート。
 私の隣に座った20代後半に見える女性が,膝に乗せたバッグからマニキュアの小瓶を取り出す。色はベージュ系。(女は,さり気なさと落ち着きよ。)
 蓋を取ってスッピンの爪に塗り始めると同時に,辺りには溶剤の臭いが漂い始める。両手の爪10枚に塗り終わるまで約20分。不運なことに,私は彼女の風下にいた。ムカムカしながらも(居直られたら絶対不利だし…)などと逡巡しつつ,結局,注意することなくガマンしてしまった。
(3)趣味
 途中駅から乗ってきた上下ジャージの高校生。私の隣に座ると,いきなり持っていた救急箱のようなプラスチックケースの蓋を開けた。
 中にぎっしり詰まっているのは,何かのカード。トランプ大。大切そうに取り出し一枚ずつ眺めては,すばやい手つきで並べ替えを繰り返す。間違えなく周囲の景色は見えていなくて,自分の世界に没入している。しばらくして,彼なりの意味づけが終ったのか,ホッとしたように下車して行った。
 その間,狭い座席で触れ合っていた彼の腕と肘が,細かく忙しなく,私の右半身を刺激していた。

 (1)~(3)とも私の感覚では,何れも家でやれば良いことばかりだし,電車の中のような公の空間で,まして衆人環視の元で行うものではないと思いました。だいたい,品が無いですよ。時間が無いのなら,ひと目をはばかりながらコソコソやれと。まして,ひと様に迷惑をかけるなんて,もってのほか。

 でもね~,「今時の…」という嘆きは,太古の昔からあったそうですから,結局は「人のふりみて我がふり直せ」ということなのでしょうかね。

日々流転的備忘録
 日々流転的備忘録

 今日は,朝から夏の日射しでした。左はブドウの葉。右はイチョウ。梅雨は目の前。

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