アトラスとコクーン

左は中目黒駅前に建設中の高層マンション「アトラスタワー」。45階建て。
右は新宿西口に昨年,完成した「モード学園コクーンタワー」。50階建て。

 

 「アトラス」と聞くと,今,読んでいる池上永一のSF小説「シャングリ・ラ」のテーマになっている空中都市を思い浮かべるわけです。温暖化防止対策で森林化される地表の代替として建設される超巨大積層建築物。近未来の富と権力の象徴として登場して…。残り1/4ページほどですが,結末は如何に。

 マンションの45階といえば,間違えなく地上100mを超えているでしょうね。120mくらいはありそうです。そんな天国,もとい,宇宙に近いところがヒトの居住環境に相応しいのだろうか,などと天空を見上げて攣りそうになった首をさすりながら思っちゃいました。(ウ~ム,ひがみ半分ですな。)

 対する「コクーンタワー」は,西新宿の高層ビル群の中でも,その派手な外観から一際,異彩を放っていますね。とにかく目立つ。コクーンの名のとおり,繭のイメージでデザインされたこのビルには,東京モード学園を始め3つの専門学校が入っているそうです。

 中層部より地上部分の方が細い不安定なフォルム。LCCO2は検討したのか!窓拭きはどうするんだ!と思わせる,ガラスを多用した複雑な外観。そんなオッサンの小言を,瞬間的に「じゃ,しょ~がないね。」と黙らせる威圧力を,この建物の設計者である某アトリエ系設計事務所は持っています。(「某」がすぐに浮かんだあなたは,相当な建築好き。)

 マイナーな言い方になりましたが,休日にぶらぶら散歩すると,東京という街のパワーをあらためて感じることが多くて,負けてはならじと精々,虚勢を張っている次第です。

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