タイで起きているクーデター~政変,今のところ取り立てた混乱はなく「無血」で事態が推移しているとの情報にホッとしています。今日は朝から政府機関や銀行,学校などは休みになっているということですが,空港や国際線は平常どおり営業しているようですし,報道では市民生活は比較的平穏な様子で,メールで現地や大使館の知人に聞いてもそれほど緊迫した様子はありませんでした。むしろ「急にひまになっちゃった。」とか「彼(タクシン首相)がいない間にやっぱりね・・・」などという比較的のんびりした答えしか返って来ないことからするとタイ国民や現地在住の人たちからすれば今回の事態はほとんど想定の範囲内のようです。
タイでは”たった”15年前にもクーデターがあったばかりです。そのときには国王が仲裁に乗り出して事態を納めたという経緯がありました。そして今回も首謀者である陸軍司令官が行った記者会見場のバックには国王と王妃の写真が飾られ,一時的には軍部が実権を握るが混乱を収拾した後,極力早期に主権を国民に返還するという表明がなされました。国王に絶対的な信頼を寄せるタイ国民のツボをきっちりと押さえたスマートな政変が行われつつあるように私の目には映ります。
とは言え,今後も決して武力が使われるようなことがなく,東南アジアの一大経済拠点の混乱が早く収拾されることを祈るばかりです。
(写真はバンコク市内タクシン橋の上から見たチャオプラヤー川)