駅前の花屋のおじさんが笑った

 

仏壇に供える生花は、駅前の花屋のミニブーケに決めている。

マンションサイズのコンパクトな仏壇にはちょうどよい。

 

昨日求めたブーケには、濃いめの赤いランが混ざっていた。

 

珍しかったので、それを店主のおじさんに言ってみる。

「別のを設えるときに間引いたやつなんです」とおじさんは笑った。

 

仏頂面がデフォルト(失礼)と思っていたらそんなことはない。

つられてこちらも「そうなんですね、アハハ」と笑って店を出た。

 

自分で整えた花に客が注目したので嬉しかったのかもしれない。

帰り道、そんな場面を思い出したら嬉しくなってまた頬が緩んだ。

 

 

 

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