4代目プリウス、燃費以外は何が○×か

 先日、トヨタのハイブリッド車プリウス(現行型、4代目)にレンタカーで丸一日乗ったので、個人的な感想、良かった点、イマイチな点などを書いてみます。

 ちなみに筆者、ハイブリッドに乗るのは今回が初めて。従来のクルマとの違いを体験できる機会に年甲斐もなくちょっとワクワクドキドキしました。

現行型プリウス(4代目 ZVW5# 2015〜)

 

1車名
・「プリウス(prius)」とは、ラテン語で「最初の」とか「先駆け」という意味らしい(Wikipediaには別の由来も書かれているが、ややこじつけっぽい)。
・今やハイブリッドと言えばプリウスを思い浮かべるほどメジャーだし、もはや一般名称のようにもなっているので、「先駆け」の役割は十二分に果たしている。その意味で一歩先を行くクルマにふさわしい良い名前を付けたと思う。

 

 

2スタイル
・個人的には、初代は空気を入れて膨らましたシトロエン2CV、2~3代目は古代から生息している生物G、現行型は未来からやって来た生物G、と感じている。
・いずれも別次元のクルマであることをデザイン面でも主張していると想像するが、その先進性、利便性、実用性が広く世の中に浸透し認められた今となっては、逆に奇抜なデザインだけが浮いているように見える。
・特に4代目は、ナンデコウナルノ?というレベル。

 

 

3走行性能
・アクセルを緩やかに踏んでいるうちはモーターのみが回り、太めのトルクを気持ちよく実感できる。グッと踏み込むとエンジンが回り始め従来車の感覚に戻るのでやや拍子抜けする。
・3人乗車で高速、一般道とも特にパワー不足は感じなかったし、至って普通に走る。体感上は、1800~2000クラス同等か。
・強いて言えば、筆者はAT車でアクセルを強く踏み込むのが嫌いなので、追い越し時のシフトダウンがレバーで出来るとなお良い。

 

 

4操作性
・これが今回、プリウスに対して最も違和感を覚えたところ。
・D-N-RにB(エンジンブレーキ)を加えた4ポジションをインパネのシフトレバーで操作する方式だが、レバーの位置が遠いので、運転中の自然なポジションから左腕をグッと前に伸ばさないと届かないのがとてもストレスフル。
・さらにインパネからほぼ水平に出ているレバーでDに入れるのに→↓、Rは→↑の操作が必要で、これが駐車時など非常に紛らわしくて迷う。
・Nに入れる際にも、→の後に若干のホールドが必要でめんどくさい。何か理由があるとは思うが、従来車に比べてNポジションの存在意義自体が希薄な気もするがどうか。
・また、普通のATと違ってP(パーキング)が別ボタンでの操作になっているて、Pへのセット~リリースのタイミングと方法が最後まで理解できなかった。現にPボタンを押さなくてもパーキング自体はできるので、NとPを合わせてハイブリッド車独自の何か別のカタチがあり得るのかもしれない。

 

 

5乗り心地
・停車中の静粛性と走り始めの静かさは快適である。ある程度スピードに乗ってタイヤの走行音が大きくなると、騒音レベルは従来車とさほど変わらなくなる。逆に言うと、タイヤの走行音の大きさに改めて気付かされた。
・今いちだったのはブレーキ。止まる寸前に効きがガクンと強まる嫌な「クセ」があり、最後まで踏み方でのコントロールが体得できず、同乗者(家人)には不快な思いをさせた。
・走行中のインパネ周りからの軋み音も気になった。このあたりでクルマの印象は大きく変わるのだが、出来の良いものにはなかなか出会えない(個人的ベストはインプレッサ)。
・後方視界が悪いと聞いてはいたが、セダンと比べれば遜色はなく、バック時にはカーナビに後方画像が映るので特に不自由は感じなかった。

 

 

6燃費
・ガソリンはレギュラー。高速道路を含む269.4km走行において、インパネ表示は28.5km/L、満タン法でも27.2km/Lだった。
・当然ながら公表値ほどは伸びなかったが、同クラスのエンジン車に比べれば半分以下の燃費であることは間違えない。
・トータルコストは別として、従来車とほぼ同じ車体価格でこの燃費を実現しているのは凄い。まさに日本の技術の誇りである。

 

 

【まとめ】
以上の感想をまとめると次のような評価になります。

◎:何と言っても従来型エンジン車の半分以下の燃費とそれを維持する制御技術。くどいが日本の誇りだと思う。
◎:従来車に比べて静粛性とトルク感にアドバンテージあり。
○:従来車とほぼ変わらない走行性能と乗り心地。
△:操作性は、従来車からの乗り換えを考慮すれば致し方ない、というレベル。
△:エンブレはあってもシフトレバーによる「シフトダウン」が出来ないところが不満。
×:スタイルは歴代いただけない。2、3代目はまあいいとして4代目は最悪。
×:ブレーキのフィール一点で家人Bから「もういや!」との評価が出た。
?:ライフサイクルコストは、従来車に比べてどんな具合なのか。

 

さて、たった一日しか乗らないで僭越にもほどがありますが、欲しいかどうかで考えればとりあえずは「見送り」ですね。
理由は3つ。①乗って面白くない、②操作性とブレーキに違和感あり、③スタイル最悪。
イニシャルコストはさて置き、その3点が解消されればカタログもらいにディーラーに行ってみようか、というところです。

 

 

 

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