- 鏑木 蓮「エンドロール」★★★★★
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マンション管理と夜間警備のアルバイトで食いつなぐ映画青年門川は、担当するマンションで図らずも老人孤独死の第一発見者となってしまう。
亡くなった帯屋老人の部屋の片付けを任される門川。
厭世的だった彼は、大量の映画雑誌に埋もれた撮影済みの古い8㎜フィルムの映像に強く心を動かされ、帯屋老人と仲間たちが頑なに封印してきた戦中のある出来事に深く踏み込んで行く。
フィルムに映る女性の足跡を辿って多くの人との繋がりを作りながら東北の知らない街に辿り着いた彼は、己の見たものを映画として集大成できるのか・・・
「孤独死」とは生者の一方的な決めつけでしかない、と作者は登場人物に語らせる。
人は一人で生まれ、多くの人と縁を作り、一人で旅立つものであり、誰ひとり孤独で亡くなる人なんていないと。そして私は、満員電車で図らずも(T_T)となる。
・・・良い小説でした。
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