朝の通勤電車。
混み具合はほどほど。シート、吊革、ドア周りが全部埋まっているくらいの感じです。
いつものように吊革に掴まって空いた方の手で文庫本を読む私。視界の隅には斜め前のシートに腰掛けるサラリーマン風の中年男性がいます。本からふと視線を外したとき、その男性は黒い表紙の手帳に細い鉛筆で何か書き付けていました。眼鏡はかけていても眉間には皺が寄っています。
電車は、朝の倦怠とともに2〜3駅を通過します。
読んでいた小説の切れ目で何となく再び先ほどの男性に目をやると、黒い手帳はどこかに仕舞われ今度は中折れ式の携帯電話を手にして一生懸命に何か打ち込んでいます。お世辞にも滑らかとは言えない親指の動き。眉間の皺は変わりません。
しばらくして男性は、神田駅で下車して行きました。
その背中を懐かしい気持ちいっぱいで呆然と見送る私・・・。
さて、この場面でなぜ突然、懐かしさを憶えたのでしょう。
思うに、私が通勤電車で目にする範囲では、スマホ利用者が圧倒的多数派になっているので、最近では目にすることが少なくなった所作を立て続けに見たためそう感じたのではないかと。
手書きの手帳やいわゆるガラケーは、ものすごい勢いで発達、普及するスマホの前で今や絶滅寸前なのかもしれません。そう遠くない将来には過去の遺物、「そう言えばそんなものもあったよね〜」的な存在になってしまうのでしょうか、かつてのフロッピーディスクやタマゴッチのように。
・・・翻って考えると、私自身も知らないうちに加齢臭と懐かしさをムンムン発散させているのですな。何を言われようと紙の手帳、ガラケーが手放せない旧型人間ですから。おっと、AMラジオも忘れちゃいけませぬ。
それではお聞きください。中島みゆきで「時代」です♪〜
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