今月は、4(正確には3.5)冊でした。来年に持ち越さないように書き留めておきます。
- 横山秀夫「半落ち」★★★☆☆
- 最後の数ページで明らかになる妻を手にかけた元警察官、梶の空白の2日間。
いきなりそこへ行っちゃったか。感動のエピソードを途中、何のヒントも出さずに持ち出すのは反則技じゃないか、などと思いつつ、映画で梶を演じた寺尾聰のイメージで読み切った。 - 真保裕一「真夜中の神話」★★☆☆☆
- インドネシア、アニマルセラピー、吸血鬼、コウモリ、超音波、その他諸々を詰め込みすぎて、逆に薄くなっちゃってる。物語の最重要ポイントである、不思議な能力を持つ少女の秘密にも迫れず。
この作家にしては期待外れの一作。 - 大石英司「神はダイスを振らない」(判定外)
- (この本、不本意ながら途中でギブアップしました。)
10年前に行方不明になったYS-11が突然、現在の羽田空港に戻ってきた。当時の状況のまま10年後の未来に放り出された乗員、乗客の運命は・・。タイムスリップものを期待したが、登場人物が多過ぎるのと、人間ドラマに主眼が置かれた展開について行けず。 - 浅田次郎「沙高樓綺譚」★★★★★
- 世の高みに登り詰めた人々のみが集う沙高楼。枝垂れ桜が咲き乱れる高層マンションの最上階で、行き場を失った物語が、その場を限りとして語られる・・・。
ウム、職人芸ですな。今回は、刀剣、女性心理、映画、ガーデニング、博徒。いったいいくつあるのだろう、この人の抽斗は。