副都心線の渋谷駅

広島ムラの村長が,東のほうの出来事について語った。

 遥か彼方,東の方角には「倒狂」というデッけぇ国があって,星の数ほど沢山の人が住んでいるそうな。彼の国には何でも,ムラの御神木より高け~家が沢山あってよー。地面の上にゃ~鉄の箱が走って回り,土の中には蟻の巣のような迷路があって,人たちがスゲー速さで行進してるんだと。

 んで,「倒狂」にゃ~鉄の蛇もおってよー。「植能」,「飽幅羅」,「吟挫」,「露翻義」,「腹熟」,「寝熟」,「四分屋」,「埋け復路」なんて聞いたこともねぇ~街をグルグル廻っているんだと。そいつが何を食って生きとるかは知りたくもね~が,人間を餌にしとるという噂がね~でもね~。

 そんで,最近,東のほうから帰ェってきた商売人が言うにはよ~,「四分屋」と「埋け復路」の間に新しい洞穴ができて,そん中を別の蛇が走り始めたんじゃと。「倒狂」モンは「吹くと新鮮」とか言っとったらしいが,何の意味やらワシにゃ,よ~分っからん。

 「四分屋」と「埋け復路」の間には,昔っから「矢待て・・・」何とかちゅー,光る鱗に黄緑の線が入った蛇がおったと聞いちゃ~いたが,何で今んなって「吹くと新鮮」がやって来たんか,いさかいでも始まりゃせんかと,田舎モンなりに彼の国のことが気にならね~でもねー。

 まぁ~,見に行きて~ヤツぁー,行きゃーいいが,「倒狂」に行って帰ェって来たのは,その商売人が初めてでよ。で,そいつも話し終わった途端に泡吹いて倒れちまったんだと。ったく「倒狂」だわな。ガハハハ~

 おっと,そいつが背負って帰ェってきた行李にこんなもんが入っとった。気を付けて見るがえー。目が回るでな。

副都心線・渋谷駅の吹き抜けで“ぐるぐる”を体感」(ケンプラッツ)

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