人前で「実はジャズも好きで…」と言ってしまうことがある。
レッド・ガーランドって、アメリカのジャズピアニストですよね……
よく知りませんけどマイルス・デイビスと一時期やってて……
……筆者の知識なんてそんな程度だ。
でも最近これを聴いて改めて(ガーランド、いいな)と思った。
ノリがよくて、音が明るい。
ボクサーを辞めてミュージシャンに転向した変わり種。ブロック・コードを生かした独特のスタイルが人気だった人で、1984年に亡くなっている。
……と偉そうに書いているが、実はボクサーだったこともブロック・コードの何たるやも知らなかった。
答えは、こちらのサイトで見つけた。
◆じっくり聴くモダンジャズ探索ツール Nelson’s Navigator / ブロック・コード (Block Chord)
(↑濃厚で勉強になるサイトです)
そして何ぞやが分かった以上に、マイルスの「You’re My Everything」が聴きたくなった。
1956年リリースのアルバム「Relaxin’」。筆者が生まれたころの録音だ。
自慢じゃないが、バラードものはヌターっとした感じが苦手で避けてきた。
でもこれはいい。気持ちが和む。
「これはブロックコードで…」、マイルスの指示でガーランドのソウルに火が灯る。
途中、とんでもなく素敵なフレーズが3回も出てきてシビレた。
普通だったら録音にプレイヤーの私語が入れば(余計なもの入れて…)となるが、解説を読んだから感じ方が全然違う。
フム、その流れでこの演奏なんだ。
帝王マイルスは、齢30にしてすでに帝王だったのか。
音だけで、タバコ臭くてピーンと空気の張った録音スタジオが目の前に現れる。
音楽のジャンルに優劣はない。これもまた超一流の芸術だ。
何がいいのか、なぜ好きなのかを自分の言葉で言えるようになるまで、「ジャズが好き…」なんて偉そうに喋ったり書いたりするのはやめよう。
深い世界をもっと覗いてから、聴いてからでないとね。