今月は5冊、読めました。
- 宮部みゆき「日暮し」★★★★★
- 「ほんくら」の続編で、文庫3分冊の長編だが文句無く楽しめた。お徳や弓之助、おでこ、佐吉、政五郎が周りを固める中で、同心井筒平四郎が江戸の日常に潜む謎を解いて行く。絶世の美少年、弓之助は、子供のいない平四郎の養子となり跡目を継ぐのか? 行く末が気になるので是非、続々編を!
- 桜庭一樹「ブルースカイ」★★★☆☆
- ある出来事によって亜空間に飛ばされた少女が、時空管理官に追跡されながら過去から未来を彷徨う。ファンタジー寄りながら、往年のSF読みには分かりやすい世界観。3つのストーリーの中では、魔女狩りの項が一番楽しめた。
- 石田衣良「うつくしい子供」★★☆☆☆
- 著者の初長編。某有名な少年犯罪をモチーフとし、重苦しいテーマながらも柔和な文体が読み手の負担を軽くしている。ラストは(そう来たか~)と思わせる安直な展開に、ややはぐらかされた感あり。
- 北村薫「街の灯」★★★★☆
- 高尚とか上品などという言葉はこの人の文章のためにあるのではないか。読解力が無いので何度も読み返すのは、ご愛嬌ですが^^;。昭和初期、元士族の上流家庭という舞台設定と、運転手として花村家に雇われた別宮みつ子(通称ベッキーさん)の謎の多いキャラクターが良い。ドラマ化するならベッキーさんの配役は当然、宝塚出身者でしょう。次作は「玻璃の天」、そして直木賞作「鷺と雪」へと続きます。
- 桐野夏生「ファイアボール・ブルース<2>」★★★☆☆
- 女子プロレスの世界を描くシリーズ2作目。昨年11月に読んだ前作と違い、語り手近田の成長譚に重きが置かれているが、ラストは限りなくほろ苦い。
昨年10月に丸善がオープンした「松丸本舗」が、ちょっと面白そうですが、まだ行けてません(泣)。