今回は、戒名について。
改めて考えてみると、「そもそもそれって何なの?」「何で必要なの?」「生きているうちにもらえないの?」などなど突っ込みどころには事欠かない戒名ですが、難しい話は抜きにして筆者を含む普通人が知りたい情報だけをとりあえず集めてみました(費用の面は除く)。
そして最後に、筆者自身の生前戒名を考えます(汗)。
大雑把にはそんなところです。
要するに現代の戒名は、大乗仏教の影響を強く受けて葬儀と寺がセットのようになっていて、「亡くなった人には必要だから」くらいのノリ、又はほとんど条件反射的にお坊様にバタバタと授与を依頼する……、そんなケースが多いのではないかと思います。
まあ、普段からお寺や仏教に縁が薄ければ、それも致し方ないのかもしれません。
さて、戒名には一定の様式があります。
カジュアルではなくフォーマルが求められるのはある意味当然ながら、生前の功績や社会的地位が死後もついて回ることを是とする発想には疑問を感じないではありません。
宗教を通り越して人間の欲や業そのものになっている気さえしますが、今の世の中の大勢はそんなもののようです。
なんだか引っ掛かりますがね……
さらに興味深いのは、戒名に使われる文字には以下のような決めごとがあることです。
【三撰】
【三除】
具体的には……
どれも(なるほど~)、(そういうもんだろうな~)とある程度納得できるものの、それらがお釈迦様直々の教えなのか、それとも人間側の忖度なのかはイマイチよく分かりません。
いずれにしても大乗仏教の考え方が時間、時代とともに世俗的な慣わしに変化し、いつの間にか定着したように感じますがどうでしょうか。
続いて戒名の実例を集めてみました。
さすが実績や功績から名前を残された方々は、各々に相応しい立派な戒名をお持ちです(西暦は没年)。
一番最後の方は現時点でご存命ですが、照れを虚勢で包んだ命名にはいかにもあの方らしさが滲み出ていて、思わずニヤニヤしちゃいました。
つまるところ戒名とは、ご当人の人となりや思想、嗜好、生き方など人間像全体が色濃く表れるもの、また表すべきもの……、そんな気がしてきます。
さて、ここからは生前戒名の実際です。
※以下、「コトサラ / 色んなコト、サラにもっと。」から引用させていただきました。
①戒名
「名前の一文字」+「清字(仏教の理念や信仰を表す文字)」で考えます。順序は逆でも可。
【清字(例)】
安、英、恵、温、賢、義、志、秀、純、俊、真、清、信、浄、仁、静、誠、聖、善、泰、達、智、忠、徹、哲、満、勇、陽、和、才、弘、願、愛、威、休、久、因、維、皆、栄、楽、堪、寛、歓、勝、承、全、禅、想、晴、操、性、証、貞、広、堅、敬、環、縁、応、恩、仏、淵、美、超、不、幽、累、倫、力、和、廉、雄、資、昭、功、固、在、尽、充、柔、親、説、探、常、生、寧…
②道号
「年齢・性別に応じた一文字」+「実字(自然物等に関わる一文字)」 で考えます。
【年齢・性別に応じた一文字(例)】
壮年の男性:威、覚、鑑、義、賢、憲、玄、厳、豪、隆……ほか
壮年の女性:香、好、孝、彩、室、貞、妙、美、豊、麗……ほか
【実字(例)】
天、空、日、月、雲、光、風、燈、春、夏、秋、冬、水、川、雪、虹、嶺、峰、淵、岳、岩、泉、丘、松、竹、梅、蓮、菊、桂、庭、華、香、珠、玉、龍、鶴、亀、鷹、仙、翁、宝、道、鑑、帆、舟、窓、陰、陽、海、林、関、国、伯、文、星、田、池、頂…
③位号
男性であれば、「居士・信士」、女性であれば「大姉・信女」のうちどちらかを選択すれば良いでしょう。
……引用ここまで。
ちなみに最近は、戒名自動生成アプリやお坊さん専用向けのソフトも登場しているそうです。
誰がどう使うのか詮索はしませんが、(戒名までスマホかよっ!)と突っ込みながら、しみじみ時代を感じた次第ですww
今回感じたこと2点と結論です。
本稿、お金の話は抜きにして書きましたが、何故か片手落ちのような気がしてなりませんでした。
やはり今の世の中で戒名を語るとき、「寺、坊様との関係及び費用」は、避けて通れないのかもしれません。
ぶっちゃけて言ってしまうと、そのあたりが日本の大乗仏教が内包する面倒くささ、胡散臭さの一面のような気がします。
もう一つは、「漢字文化の奥行きの深さ」です。
一個人の人となりやその背景から果ては人生までを、いくつかの漢字の連なりで言い切る戒名。
大袈裟に言えば漢字文化の一つの極み、日本人としてはそう胸を張ってよいものだと思いました。
……ということで今回の結論です。
「戒名」と聞くと、その字面や言葉の響き、葬儀との結びつきからどうしても暗く重たいイメージを抱きがちだが、改めて戒名とは、生まれたときに付けられた名前と対になって一個人の全体像を表すものと前向きに捉えることが出来る、と思う。
そして戒名を、彼岸でのお釈迦様へのお近づきの徴し、弟子入りの挨拶に差し出す名刺のようなものと考えれば、どのような漢字を連ねるのかは人任せにせず、自分自身で決める、あるいは自分のことをよく知っている人と相談して決める、それくらい思いを込める価値があるもの、だ。
つまり本稿タイトルの疑問への答え、個人的結論は「是」です。
あとはハードルを如何にして乗り越えるかだけ。
それとなく意識している終活の中で、もとい、最優先で考えるとしますか……
ということで最後に……
とりあえず現時点のものということで。
又は自由律でシンプルに……
そんなところです。
◆ コトサラ / 色んなコト、サラにもっと。(一部の記載を引用させていただきました)
http://cotosara.com/kaimyo_jisaku/
◆ NEWSポストセブン(週刊ポスト2011年10月21日号)
https://www.news-postseven.com/archives/20111015_60218.html?DETAIL
◆ 葬儀屋さん
https://sougiyasan.jp/faq/shukatsu/1798#headline_78163
◆ いい葬儀
https://www.e-sogi.com/guide/15486/
◆ おぼうさんどっとこむ
https://obohsan.com/kaimyo/
ありがとうございました(._.)。