5年前、左耳の難聴に漢方薬を試した話を書きました。
そのときは、たまたま見つけた都内文京区の小石川三好漢方薬局さんがとても親身になってくださり、症状に合わせて調剤された数種類の煎じ薬をしばらくの間服用しました。
わずかに改善の気配は見えたものの目立った効果は発現せず、正直なところ、結果的にそれ以来、自分の中で漢方はディスコンに近くなっていました。
そんな折、今回はいったんスタートラインに戻る意味で、改めて漢方を取り上げてみたいと思います。
テーマは最近常備薬になっている「六君子湯」。筆者にはとてもよく効く胃薬です。
1包に換算すると概ね4倍前後のコスト差があります。
時間に余裕があれば、診察してもらって3割負担で済む「病院処方」の方が断然お得です。
本稿を書くために確認したWikipediaの当該ページで、気になる情報を発見しました。
六君子湯をマウスに投与したところ、生体を構成する細胞をストレスから保護する遺伝子が活性化され、投与しなかったマウスより長生きしたことから、人の健康寿命を延ばす効果が期待されているそうです。
漢方薬「六君子湯」で健康寿命が伸びるかかも? マウス実験で長生き確認
胃炎や胃もたれの治療に使われる漢方薬「六君子湯」の薬効解明を進めている鹿児島大の乾明夫教授(心身内科学)らのチームは、早く老化する特徴がある3種類のマウスに六君子湯を与えたところ、与えないマウスより長生きしたとの実験結果を発表した。
結果の解析から、六君子湯には胃から分泌されるホルモン「グレリン」の作用を強める働きがあり、それによって、細胞を各種のストレスから保護する遺伝子「サーチュイン」が活性化され、長生きにつながることが分かったという。乾教授は「人でも確認できれば、健康寿命を延ばすのに役立ちそうだ」と話している。
2016.3.16 産経ニュースより抜粋
六君子湯によるグレリンシグナル増強はSirtuin 1活性化により加齢モデルの寿命を延長する
ホルモンであるグレリンがマウスの実験において血管疾患などの老化関連疾患に対して保護する役割を持つことが今週のMolecular Psychiatryで発表された。著者のグレリンプロジェクト代表・鹿児島大学教授乾明夫、および共著者の株式会社ツムラ、自治医科大学教授矢田俊彦らは、日本の伝統薬、六君子湯の処置が内因性グレリンを増加させ、老化促進マウスの寿命を延長させたことを見出した。
著者らは、2種の遺伝的老化促進マウス(オス)と通常の老化マウスを用いてグレリンシグナリングの影響を検討した。また、六君子湯およびatractylodin (ターゲット臓器でグレリン作用を刺激する六君子湯の成分)の処置は、全ての3つの老化モデル(各群9-11匹)において寿命を延長することを明らかにした。六君子湯の投与実験では、18-20匹の老化マウスにおいてグレリンの増加が心臓病理変化および記憶の固定を改善した。
おいおい本当か?って感じですね。
研究が進み、人の細胞でストレス軽減の効果が確認できれば、健康長寿への期待が膨らみ、ツムラと小林製薬の株価が上がり、市場から六君子湯が姿を消し、コロナ禍のマスク並みに転売ヤーが暗躍し、焦った政府は六君子湯を無償配布へ、・・・そんな事態も起るかと妙な想像が膨らみました(そこか!)。
以上、六君子湯の全容を洗い出してみました。
筆者としては、この漢方薬とは長い付き合いになると思っていまして、そのためには相手をよく知る必要があると感じて本稿を書き始めました。
六君子湯のまとめです(あくまで個人の見解)。
そんな親しみやすい薬である一方、健康寿命を伸ばす効果も期待される希望の星ということもあり、その効果と合わせ今回改めて「漢方侮りがたし」の気持ちを新たにしました。
東洋医学、西洋医学にかかわらず、自分の身体に合った薬や施術と出会えるのは幸せなことですね。