5/6までとされている緊急事態宣言が、ここにきて1ヶ月程度延長されそうです。
全国的に感染者数の増加が続いているからです。やや鈍化傾向はあってもまだまだ気は抜けないと。
そんな中で「STAY HOME」が盛んに叫ばれ、さぞかし読書が進むと思いきや、モチベーションは時間じゃないですね〜。やはり如何に面白い本、興味を惹かれる本に巡り合うかが肝心と痛感した一ヶ月でした。
4月は1本だけ。来月に期待です。
まったく他人様の書評ってやつは当てにならない。
以下、この本についての私の書評です。
1点目は、とても長くて内向きな小説ということ。
まず、スローハイツのクリエイターを目指す住人たちの人物造形とも背景説明とも関係性の構築ともつかない、私からすれば中身の薄い話が初っ端から下巻1/4あたりまで延々続く。
そして、うまく説明できないが徹底して内向きだ。登場人物が一定の範囲、一定の距離感の中で閉じていて、社会との関係性がとても希薄。
2点目は、バランスがよろしくないということ。
上下2巻の2/3ほどまで延々続くその中身の薄い部分に後半、もとい、終盤への伏線が散りばめられているのだが、途中で何度挫折しかけたことか。
何らかのテーマ性に気づければモチベーションも保てるが、そちらもさっぱり。上巻を読み終えても何を言わんとする話なのか掴めない。
3点目は褒め言葉だ。全編を通して平易かつ正確な言葉使いで、とても読みやすい。それがなければ途中で放棄しただろう。
ときどき時制が前後したり主語が抜けたりして?と思うことがあるが、それがこの本作又はこの作家の味なのだろうか。そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
もしそれが私には理解不能な文学性というものであれば、それはそれで凄いことなのだろう。
最後まで読んでようやく恋愛がテーマの小説であることを理解し、そして確信した。これは私には合わないし、どうしても合わせることのできない小説だった。感情移入できないまま読むのも辛かった。
でも読了できて良かったとも思った。なぜなら今の若い世代の人たちが、何を考え何を好み何に影響され、そこからどんな心理になりどんな行動に出ることがあるのかを少しだけ知ったような気になれたから。
それだけの小説でした。