Categories: 本/書評

銭湯と立山連峰と平家伝説

TBSラジオ、朝の「森本毅郎・スタンバイ」に7:35頃から「現場にアタック」というコーナーがあります。

今朝のテーマは「銭湯の壁絵」でした。

このご時世、銭湯自体が少なくなっているのでどんな話かな〜と、いつもよりちょっとだけ真剣に聞いていると,これまで壁絵の主流だった「富士山」が,最近は「立山連峰」に取って代わられつつあるという、一瞬「ン?」と思うような話でした。

何でも東京都内の銭湯の初代経営者は、北陸3県、新潟,富山,石川の出身者が圧倒的に多くて,「立山連峰」の壁絵は、そうした背景に目をつけた富山市が東京都の銭湯組合とタイアップして仕掛けた観光戦略なんだそうです。2014年の北陸新幹線開業に向けて観光客を増やそうという目論見だとか。

ウ〜ム,銭湯って減る一方なんでしょ、それって費用対効果としてどうなの?、などと思いながら聞いていたわけですが,その話に関連して思い出したのが若い頃に読んだ半村良の伝奇小説「平家伝説」でした。

うろ覚えではありますが、たしかストーリーの下敷きとしてこんなことが語られていたと記憶しています。それは・・・

・・・銭湯の経営者には北陸出身者が多い。それは「背中に平家の財宝の隠し場所を示す痣を持った人がいる」という言い伝えがあることに由来する。その人物を探すため北陸の人たちは全国に散らばって銭湯を始めたのである・・・

というもの。あくまでうろ覚えですが。

半村良の小説には,いい意味での「嘘っぱち」をベースにしたものが多いので,銭湯経営者=北陸出身という図式もあくまで小説のための虚構だと思っていました。それがラジオの話で事実ということが分かり,思わず「へェ〜」となった朝でありました。

おしまい。

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