早いもので今年も残り1箇月を切りました。本屋では立ち読み、じっくり読む本は図書館で、というポリシーは、今年も貫徹できそうです!?
- 奥田英郎「泳いで帰れ」★★★☆☆
- 直木賞作家である著者のアテネオリンピック観戦記。
タイトルは,負けないがためにバントを繰り返した野球日本代表への最大級の叱責である。英郎さん、あなた本当に野球が好きなんだね。
自ら行動しない作家と言いつつもエーゲ海クルーズの客船上では、人目もはばからず一心不乱にメイクする日本人の若い女性を見て「こういうタフさは、むしろあっぱれなのかもしれない。人の目を気にしない、世界はそれがスタンダードであり、そういう人々が地球を回しているのだ」と言ってのける。
確かにね。日本人は世界標準に進化する過程にいるのかも知れない。 - 畠中恵「しゃばけ」★★★☆☆
- 何かあるとすぐに寝込んでしまう軟弱な薬種問屋の若旦那が難事件に臨む異色の捕物帳。サポーターは、恐持ての妖怪達!
本作を第1弾として、既に10冊刊行済みのこのシリーズ。特に若い女性に人気があるそうです。程ほどに面白かったかな。 - 村崎友「風の歌、星の口笛」★★★★☆
- フム、第24回横溝正史ミステリ大賞受賞作とな。
並行して語られる3本の物語は、あるもので繋がっていることが終盤で明らかになる。
これがミステリならば、SFの金字塔「星を継ぐもの」だって第1級のミステリじゃて。「あるもの」は限りなくSF的なアレなのだから。