Categories: 本/書評

小松左京さんの思い出

このブログに筆者自身を称して「往年のSF読み」なんて書くことがあります。

40歳前後までは本当によくSF小説を読んでいました。子どものころから宇宙旅行やロケット、ロボット、タイムマシーンなどに憧れを持っていた♪ラララ科学の子ォ~♪であった私を本格的なSFの世界に引き込んでくれたのが小松左京さんでした。

思い起こせば16~7歳(そんな時代があったのさ)のころからでしょうか。

ショートショートや短編ものから入って「日本アパッチ族」、「果てしなき流れの果てに」、「日本沈没」、「復活の日」、「さよならジュピター」などの長編に行き着き、SF小説の何にも縛られない自由さや時空を越えた発想や表現の壮大さ、誤解を恐れずにいえばハッタリや嘘っ八の面白さを教えてくれた偉大な小説家でした。

「ゴルディアスの結び目」、「くだんのはは」、「ホクサイの世界」、「戦争はなかった」などなど、今でもストーリーを語れる短編もいくつかあったりします。

その小松さんが先日80歳で亡くなられたと聞き、またひとつ昭和が遠くなってしまったと感じています。最近、どこかの誌面でお見かけした姿はずいぶんスリムになっておられましたが、眼鏡の奥で光るいたずら小僧のような目は、相変わらず何か面白いことを考えたり探したりしているなと思ったものでした。

小松さん、ありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

小松左京ホームページ

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