とにかく忙しかった3月。
送別会ほかで飲み会も多くて、散髪に行ったら理容師さんに「肌が荒れてる」、「内臓疲れてるでしょ」と鋭く指摘されました。月半ばに上唇に出来た口唇炎はもう治ったけど、少し自重しないといけませんな。
そうは言っても、来週から突入するのですよ、歓迎会シーズンに(号泣)。
- 松久淳+田中渉「天国の本屋」★★★★★
- 心が温まるとても良い本である。後半からラストにかけてはティッシュが必須。
ある日突然、天国の本屋にバイト店員として連れて来られたぷー太郎のさとしが出会ったレジ係の娘ユイ。薄緑色の瞳をした彼女は、交通事故で亡くなった年の離れた弟に特別な思いを抱いたまま天国で暮らしていた・・・。
田中渉さんによる水彩の挿絵が、じんわりと感動させてくれるこの物語にとてもよく合っていて、「一冊の本」として上質な作品になっている。疲れたとき、内にこもりたい時、その他いつでも誰にでも絶対にお勧めできる。 - 中島らも「空のオルゴール」★★★☆☆
- オカルト、格闘技、酒、ドラッグ、そしてドタバタ活劇。らもさんらしさ満載の作品である。途中から話が間延びして緊迫感がなくなるのも、らしくてこ愛敬だ。どうあがいても「ガダラの豚」は越えられない、なんて思っちゃいけない。そこにはらもさんのやさしさが溢れているのだ。
- 村上春樹「風の歌を聴け」★☆☆☆☆
- ノーベル文学賞候補と目され、今や日本を代表する作家のデビュー作であり、芥川賞候補にもなった青春小説である。
不遜にも要約するなら、聡明で裕福なある青年のひと夏の記録または記憶。作者がこの作品で何が言いたいのか、テーマは何なのか、私にはまったく理解できなかった。最新作は記録的ベストセラーになっているらしい。私と作者のどちらが世の中からズレているのだろう。間違えなく私のほうだと思うけど。
次は「ノルウェー」あたりを試してみるか。 - 福井晴敏「Twelve Y. O.」★★★★☆
- 沖縄を舞台とする一大スペクタクルアクション小説である。
テーマは、自国を自分達で守ることが出来ない、そしてそれを真剣に考えようともしない「大人になれない日本」。作者の作品に共通する圧倒的な情報量と独特の固い文体は、「福井晴敏」というひとつのジャンルを形成していると言ってよいと思う。自衛隊、兵器好きな方には絶対にお勧め。