Categories: 本/書評

世界の言語入門

 週休二日制が普及する以前は,「半ドン」という制度がありました。土曜日の役所や学校は,午前中でおしまい。私の職場では,土曜日が全て休みになったのが1990年代に入ってからですから,30代の半ばまでは土曜日「半ドン」で働いていました(年がばれますな)。

 思い起こすと「半ドン」の午後というのは,何ともいえず不思議な時間帯でした。私はその当時,設計,つまり図面描きを主な仕事としていたので,電話対応や打ち合わせ,会議も無く,静まり返った事務所で,普段,途切れ途切れにしか出来ない,受け持ちの設計に没頭することが出来ました。

 そうかと言って,切羽詰って残業している感覚ではなく,疲れたり飽きたりしたら,ウォークマンで音楽を聴くこともOK,納期が迫っていなければ,中途で放り投げて,まだ明るい街をフラフラ歩き回ることも出来た,いわば「ユルイ」時間帯でした。

 「半ドン」の「ドン」は,オランダ語で日曜日の意味のZondagから。博多どんたくも同じ語源だそうです。「半」はもちろん半分。半分日曜日なので「半ドン」。昔は,平日から休日へとゆっくり切り替わって行ったのじゃ。

 今,読んでいるのがこの本。
「世界の言語入門」黒田龍之介著(講談社現代新書)

 世界の言語をアイウエオ順に並べて,それぞれをテーマにしたエッセイが90本。難しそうなタイトルだけど,軽く読めて面白いし,ためになります。アイヌ語には”4人称”という概念がある,ヴェトナム語は6つの声調により音楽のように美しく響く,ブルガリアのレストランで「サルマタ!」と叫ぶとロールキャベツが出てくる,などなど。

 世界は広い。知らないことがたくさんありますね。

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    写真を何枚か撮ってきました。送りたいのでメールのアドレスを教えてください。

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