「亡国のイージス」を読み終えました。福井晴敏の本は「終戦のローレライ」に続いて2作目です。ずしりと腹にこたえました。
私の場合,本を読むときに一番集中できるのは何故か電車の中と駅のホームなので,通勤時や電車で移動するときは必ず本を持っています。特に朝夕の通勤時には電車の中で必ず文庫本を開いています。普通は約15分の乗車時間でだいたい10~15ページ読んで下車駅に着くと本を閉じますが,それでは足らずに下車してからホームのベンチで続きを読むこともあります。それは当然,面白い本の場合ですが,そんな本にはなかなか出会えません。そんな中,福井晴敏の2冊は,1年ぶりくらいでホームで読んだ本でした。
「亡国のイージス」は文庫本で1000ページを超える大作でありながら,現場で働くたたき上げの自衛官と○○○の工作員を主軸に,自衛隊の抱える矛盾,官僚機構の功罪,そして日本の国のあり方などに鋭く迫り,全く飽きることなく読ませてくれました。主人公達の超人的な活躍は物語ですからご愛嬌としても,自衛隊のエリート幹部と現場上がりの兵卒達の二重構造と対立はどんな組織にも当てはまる構図に思え,サラリーマンも経験しているという作者の奥深さを感じました。
次は東野圭吾の「秘密」を読み始めましたが,時間はかかっても福井晴敏は制覇したい作家のひとりです。
<訂正9/11>ストーリー上の肝心なところをバラしていたので伏字に訂正しました。
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私も福井氏の2冊を読んでけっこう感動して
他の作品も読んでみたんですが・・・。
これが案外、「あれ??」というか、期待しすぎた私が悪かったのか、
そんなでもないんですよね・・・。
最新作の「OP.ローズダスト」は、どこかで聞いたような事件をつぎはぎしただけのストーリーだし
しかも「イージス」よりスケールが大きくなくて、くどいくらいのメッセージ色も薄れ
単なるドンパチものになっちゃったなあという気がしました。
読んでるこちらが「そこまで言うかっ!」と反論したくなるくらい(笑)濃い主張が
彼の持ち味でもあったと思うんですが、売れてから少しアクが抜けたような感じです。
どうやら「日本沈没」のリメイク版を書くとかって噂があるようですよ~。
東野圭吾は、ついこないだ「どちらかが彼女を殺した」を読みました。
この結末はアリなんですか~~~っ(爆)。
え~,福井氏そんなに落差があるんですか。ますます読んでみなくっちゃ(笑)
確かに作家も人間ですから同じように内容の濃い作品を続けて書けるわけでは
ないですし,読み手も飽きるということがあると思うし・・・
それだけに面白いと思える作品に出会えたときには幸せを感じることが出来るんですけどね。
でも「日本沈没」のリメイク版を書くということは余程,自信を持っているのでしょうね。
ただし私は読まないと思いますけど。なぜならば小松左京の原作を一度読んで
も~いーや,と思いましたから。くどくて。(理由になってないか...)
東野圭吾はあまり読んだことがないんですが,今読んでいる本が面白かったら,
少し掘り下げてみたいと思っています。
でも,「秘密」っていう題名は良くないですね。
どこかに隠されている秘密が早く知りたくて斜め読みになっちゃいますから。
これって性格ですね。(汗)