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教えて欲しい番号


タイトルは随分前に勤め先の社内報に掲載された東大名誉教授,医学者の小坂樹徳(こさかきのり)さんのコラムの表題です。とても心に残るコラムだったので切り抜きを取っておきました。小坂教授が若い研究者達に,自分があの世に行ってからも世の中の変化をファックスで知らせて欲しい,と頼んだところ「番号を教えてくれたら喜んで・・・」という答えが返ってきた,という話でした。
小坂教授が知らせて欲しいこととは,(以下,原文を掲載します。)

■30年,50年先に地球環境はどうなっているのか。
■人口問題はどんな方向に進んでいるのか。
■人類は争いのない平和機構を構築しつつあるのか。
■自然科学の進歩を統合した新しい哲学が生まれているのか。
■どんな倫理観,価値観が人間社会を支配しているのか。
■技術革新と人間尊重はよく調和しているのか。
■エネルギー問題は解決されているのか。
■わが国は経済発展を維持し,平和的文化国家として人類にどんな貢献を果たしているのであろうか。

コラムは学者らしく「私は学術は人類発展の基礎であると考えている。また,人間のすばらしい感性と知性を信じている。」と結ばれています。 アメリカの横暴,止まないテロ,いつまでたっても不安定な中東情勢,最近の東アジアのキナ臭さなどの報道を見るにつけ,あの世の小坂教授に胸を張ってファックスが送れる日はいつのことだろう,などと夏空を見上げながら思ってしまうのです。月の裏側か昨今話題の冥王星あたりから異星人が地球を見て「アホか,地球人!」と言っているかも。

hideandseek

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  • 私も同感です。。
    世の中、科学の発展はあっても。。その他の事がどんどん悪い方向へ
    向かって行ってしまっているように思えるのは私だけでしょうか・・。
    物は豊富になっても、その分心が貧しくなってしまったようで。。
    物の無い時代の方が、もっと心は豊かだったように思えますぅ。

  • maaさん,こんばんは。
    科学や技術が発展して生活が豊かになる,人が幸せになるというのは良いことです。
    でもそれは物事の一面であって,プラス面が突出してくればマイナス面も反対側に
    同じくらい突き出してしまうのだと思うのです。
    またタイの話で恐縮ですが,私の目にはバンコクはお年寄りや身障者には
    とてもハードな,負荷の多い町に映りました。歩道の段差が大きい(場所によっては30cm以上!),
    ほとんどの駅には階段しかない,バスに乗るには車道まで出なければならない,
    バリアフリートイレなど皆無に等しい・・・などなど。
    タイ人にそんな指摘をすると不思議そうな顔で「弱い人は誰かが助けるから大丈夫」
    と返してきました。これにはちょっとしたショックを味わいました。
    たぶん,日本もほんの何十年か前まではお互いに助け合うという心情が生きた
    社会だったことでしょう。
    でも今はmaaさんも仰るように精神面や心をどこかに置き忘れてでも物質的に
    豊かになろうとする世情になってしまっています。
    自分中心,他人を省みない,人を思いやる気持ちが希薄,言い出せばきりがありませんが,
    そうかといって何が悪いとか,誰が悪いとかの責任転嫁は言っても聞いてもむなしいだけです。
    せめて自分の周りで何か出来ることから,という気持ちを持ち続けるぐらいしか私には出来ません。
    マイナーな話でごめんなさい。夏も残りわずかです。
    おいしいものでも食べて元気で行きましょう(*^^)v

  • 拝見しました。
    皆さんの意見に同感です。
    先のタイのコメントなどについては、実感として、最近の日本(特に都会)は人を手助けするにも、なんとなく気を使ってしまう気がします。まあ、私が未熟なのもあるのでしょうが、なかなか周囲の人が信用しづらい状況がある気がして、それを考えると帰って気を使うと言うか・・・。
    もし世の中がもっと良くなっていくならば、小坂教授はわざわざ死んだ後にFAXで情報をもらう必要などなくなるのでしょうね。
    心配だから伝えて欲しい・・・そんな感じなのでしょうか?
    世の中が良くなっていくと思っていない人がこれほど多い世の中で、でも良くしようという動きも起こらない。・・・自分もその一人でありながら、でも不思議に感じてしまいます。

  • nobuさん,初めまして。コメントをありがとうございます。
    >>なかなか周囲の人が信用しづらい状況がある気がして、
    そうですね。他人への親切が却ってあだになる,という状況がたくさん報道されたりすると
    誰だって自分がその場面に当たる前に臆病になってしまうと思います。
    >>もし世の中がもっと良くなっていくならば、小坂教授は・・・
    私もそう思います。教授はご自分がこの世から消滅したあとの日本と人間社会が気掛かりで仕方がなかったのでしょう。
    でも結びからも分かるように人間の可能性を前向きに信じておられました。私も(たとえ何の根拠もなくても)希望は
    捨てたくない方なのでこのコラムが強く印象に残ったのです。
    この世の中,結局はひとりひとりの人間の集合体ですから,住み良い世の中にしたい,そのためにはどうすればいいのか,
    あるいは何かしたい,と考える人間の数が少しでも増えれば良い方向に転がり始める・・・,そう思えばたとえひとりの努力
    でも決して無駄ではないのかなと,脳天気な私は思っています。エラソーなことを言う割には世のため,人のためになることを
    何もしていませんが(汗)

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