年をとって涙もろくなるのは、感情抑制を担う前頭葉の機能低下が原因だそうです。
理屈は、なにやら難しいですね。
…………と思いきや、あのチコちゃんがやさしく解説していました。
ドドン、「それは、脳のブレーキが緩むからー」
5歳の子の言うことの方が分かりやすいって…………
ということで、世間並みに涙もろくなった筆者の近況です。
1.カムカムエヴリバディ
- NHKの朝ドラは、定年後に見るようになった。余裕ができたからだ。出勤の日は会社のデスクにiPadを置いて、テレワークの日は自宅のTVで見る。
- カムカムエヴリバディ(人物相関図)は一部から二部前半、るい(深津絵里)と錠一郎(オダギリジョー)が結婚するまでは、結構泣けるシーンがあった。内容がシリアスだったのだ。
- 三部に入って主役がるいからひなた(川栄李奈)に移行して雰囲気が変わり、笑えるシーンが多くなった。ホッとする一方、楽しい中で泣けるシーンを期待してたりする。
- もともとTVドラマは見るほうではないし、今もほかにドラマは見ていない。何か始めると深くハマる質だからどこかで防衛本能が働くのだろう。
- ちなみに、ひなた役の川栄李奈さんは演技が上手で正直驚いた。子供時代を演じた新津ちせさんも抜群だった。お二人とも将来が楽しみです。
- なお、ベリー役の市川実日子さんは、相変わらず魅力的ですな。ひなたの幼馴染小夜子役の新川優愛さんも注目株。なんと言っても姿勢が良ろしい。さすが天下のNHK、配役からして見事。
2.老婦人と中年男性の散歩
- 風が冷たく日差しのない冬の日の午後。小柄な老婦人と体格の良い中年男性の二人が狭い歩道を歩いていた。母、息子とお見受けした。
- 老婦人の背中はあくまで丸く、シルバーカーを押す足元は遠目にもおぼつかない。防寒ジャケットのフードを目深に冠り表情も見えない。一歩一歩慎重に歩みを進めることに集中しているのだろう。
- 時おり、重量感のある電動自転車が二人の脇を勢いよく走り抜ける。中年男性は、歩調を合わせ眼光鋭くシルバーカーをガードするように後ろからついて行く。
- それを遠くから発見した自転車上の筆者。途端に水中で目を開けたように視界がぼやける。瞬きでクリアしスピードを落として慎重にお二人の脇を通り抜ける。
- いつどこで出会っても老母&息子さんの組み合わせには弱い。拙宅の介護時代を思い出すのだ。
- 追い越しざまに黙礼した。お疲れさまです、お大事に、どうぞお気をつけて……
3.空港で家人を見送る
- 家人Dはいま遠隔地にいる。沖縄本島だから離島という表現は適切ではないが率直に言って離島は離島で遠いことこの上ない。
- 拙宅を出てちょうど3年。すでに地元に定着し定住の雰囲気さえある。その彼が1月末に帰省した。3年目で初めてだ。
- 帰ってくる前、楽しみであれこれ考えすぎて、どう接遇したらいいのか分からなくなった。家人Bに愚痴ったら呆れられた。
- いざ帰ってきて元気な顔を見て安心し、近況を尋ねたり一通りのやり取りを終えると、あとは意外に話が弾まない。まあ、もともと双方とも口数が少ない、いわゆる無口な男子ってやつだ。こんなもんだろうと納得はしたが。
- 結局4泊して帰って行った。羽田まで見送りに行った。搭乗前に二人で昼飯を食べたがやはり話は弾まない。出発ゲートの検査場に入るところまでついて行った。
- Dが待ち行列に並ぶ、荷物を預ける、チケットを見せる。金探を潜る、荷物を受け取る、もう向こう側だ。手を振る、見えなくなる。
- そんなベタな場面で絵に書いたようなベタな感情が湧く自分に驚いた。文字にすると情けないので内緒にしておこうと思ったが…………切なくて泣けた。
- ゲートからすぐに帰るつもりが、展望デッキにドタバタ急いで上がり機影まで見送った。
- 自宅に戻ると自室の隅に置き土産があった。今度はニヤニヤしながら視界がぼやけた。添えられたカードに書かれたメッセージは、…………本当に内緒。墓場まで持っていくやつ。
- そんなこんながあって、今は感謝の気持ちが湧いている。とにかく感謝しかない。いや、祈りもだ。
- ありがとう、元気でいてください。
以上、近況でした。
4.まとめ
ネット上には、「泣くことで得られる心身のメリット」や「泣くことがもたらす14の健康効果」など、泣くことに前向きな情報が見られます。
また、5歳児チコちゃんのまとめは、「涙もろい人は 多くのことに共感できる優しい人」と極めておおらか。
君は達観したオッサンか。
そのあたりを涙目、じゃなくて横目で睨んで、もし脳のブレーキが緩んでいるとしてもそれはそれ。
焦ることなく自然体でよろしいと解釈しておきましょう。
おかげでティッシュが手放せませんがね。
フム、悪くない。
おしまい