いきなりですが本稿、かなり長文になってしまいました。言いたいことは以下の2点です。
昨今よく聞くようになった「終活」という言葉は、2009年に週刊朝日が作った新語なんだそうです。
その意味するところは、狭義には「人生の終焉に向けた事前準備」、最近は「人生の終末を考えることで自分自身を見つめ、今をより良く自分らしく生きるための活動」と拡大されているとか。
そのどちらも、現在の日本社会で確実に進む高齢化と、すでにデフォルト化した情報化、デジタル化の波の中で、決して避けては通れないものとして多くの人が意識し始めているのではないでしょうか。
で、僭越ながら自分のことなんですが・・・、
齢六十三となり、さすがの筆者も(そろそろ・・・)と考えまして、死んだあと家族や世間様に迷惑を掛けないように、銀行口座や保険関係、クレジットカードなどの整理を始めました。
整理と言っても、まあ、あれです。
いざという時にまごつかないよう諸々の個人情報を一箇所にまとめる作業、具体的には口座番号や手続き窓口などを取りあえずExcelで表にまとめているだけなんですが、やってみると意外にボリュームがあること、ネット上での取扱いが増えていることに今さらながら驚いています。
いまや多くの人が利用しているGoogleやAmazonなどは、当初からインターネット上での付き合いですね。
だから、そもそも会社自体がどこにあるかなんて考えたこともないし、また電話対応の窓口も無いわけではありませんが、サイト上のかなり深いところに隠れていてなかなか見つけることはできません。
個人的に終活を始めてみて、そういった「ネット上ですべて完結してますがなにか?」といった平均的なリテラシーを無視した姿勢が、少しづつ世の中に広がっているのを感じるわけで、翻って家人に遺すものもその辺を考慮に入れないと意味のないものになると感じて始めています。
話を戻して冒頭1の関連ですが、諸々の整理を進める中でGoogleの「アカウント無効化管理ツール」というサービスを発見しました(実は2013年に開始されていた)。
一定期間、Googleアカウントを使ったサービスの利用がなければ、利用者が指定した人に連絡を入れたうえで当該アカウントを無効にしてくれるというものです。
Googleアカウント ヘルプ「アカウント無効化管理ツールについて」
まだ勉強中なので全体像は理解できていませんが、「Cloudに上がっているデータも同時に無効化する」とまでは宣言されていないあたりにモヤモヤは残るものの、利用者の死後まで視野に入れた先進的、模範的な取り組みは、さすがはデジタルの先端を行くGoogleと思いました。
近い将来、SNSやCloudサービス、レンタルサーバーなどでも、このような利用者の死後やアクセスができなくなった場合の対応、処置が、機能としてデフォルトになることを是非とも望みたいです(すでにFacebookやTwitterには、似たような機能があるらしい)。
もうひとつは範囲を少し広げて、冒頭2と先ほどの「リテラシー」の関係です。
筆者の死後、諸々の後処理は、当然ながら家人B、C、Dのいずれかが主体となってやってくれると思っています(あくまで自分が先に逝くとして…)。
その前提で、少しでも手間や面倒を減らすことを意識して整理を進めるのですが、一番気がかりなのは、やはりネットを通しての手続きやデジタルデータの類で、この辺りの処理の先行きがある程度見えないと、本人的には死んでも死に切れないと言っても大げさではありません。
Cloud上にデータがあるものは、SNS(FB、Instaほか)、ブログ(レンタルサーバ)、ショッピングサイト(主にamazon)、Google(Gmail、フォト、ドライブなど)等々、オフラインでは、iMacとNASに保管している写真データなどがあり、筆者一人分でもデジタルデータは膨大な量になっています(大汗)。
さすがにこれらを家人たちに「あとよろしく!」と残すのは気がひけるし、時間と手間、リテラシー面も気にかかるので、そこで考えたのが「その方面のプロ」に頼むという方法です。
・・・とここまで勢いで書いてしまいましたが、実は「プロに頼む」具体的な方策については、今のところ「死後事務委任契約」にデジタルデータの後処理を含めるという道すじが分かっただけです。
具体的に、筆者個別の事情に合った死後事務処理の「委託先」を見つけるにはまだ至っていません。
ネット上を探しても、「そりゃあーた、たいへんだよ~」という問題提起はたくさんありますが、具体的に「我らにお任せあれ!」と胸を張る企業、団体、個人はまだまだ少ないようです。
ということは、逆にこの分野はまだまだ黎明期なのであって、プライバシーや保秘など難しい面はたくさんあるにしても、今後増える一方のニーズを背景に具体的な方法論を確立して上手なビジネスにつなげる人たちが必ずや現れるだろうと、楽観的に問題を先送りすることにしました。
いやはや終活は難しい~というのが本稿の結論、と書いては身も蓋もないのだけれど、今のところそのあたりが本音なのでありまして、いやはや面目ございません。
そして、やればやるほど土壷にはまりますよ~、と付け加えたいところですが、やれることまでやったら最後は家族を信頼して「あと頼むね~」と任せて消えるしかないのかもしれません。
・・・などと言いつつ、今回本稿を書くにあたって前述Googleのサービスには、ひとつの光明を見た思いがしましたし、「後始末のプロ」についても相続手続きや死後事務処理の一部分として、近い将来、方法論が確立していくのではないかと思いますので、世の中の動きや進歩をもう少し気長に見て行きたいと思います。
フム、ナニナニ?、そんな悠長なことを言っていられるのかって?
はい、幸いなことに実は時間はまだあるようです。なぜなら、今のところお迎えの気配は、これっぽちも感じていませんので(笑)。
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こんにちは……ほんの少しだけ年上です。
終活という言葉が身近で切実に響くようになってきました。オフライン上については、公正遺言証書が作成済だったり、散骨墓地の手配も完了していますが、パソコンの中やネット関連をどう処理したものか。これはもう本当に悩ましい問題なんだと、あらたまの年を迎えたあたりで、本腰を入れなくてはならないと、ちょっと背中が押され気味になりつつあります。
高校時代の同級生にパソコン関連の手練れがいますが、先に死なれては意味もないし“死後事務委任契約”についても検討したほうがよさそうですね。
どうぞ、よいお年をお迎えください。
HIDAMARIさん
コメントありがとうございます。
最近、小生のデジタル終活について一回り下の後輩に話したところ、「そんなもん、銀行口座が閉鎖されりゃ全部終いっすよ~」と。相手を間違えました(汗)
遺言、墓地など着々と進められているのですね。
その方面にも眼を向けねば...、と刺激をいただきました。
先日は、ポスター炎上で逆に目立った「人生会議」のセミナーにも参加しまして、国の役所の提唱だけに具体性には欠けましたが、(そっちのほうもあるな~)くらいの認識はできました。
年とともに身軽になると思いきや、やることはたくさんありますね。
結局マストとベターの線引き次第とは思いますが、あれこれ細かく考えてしまうのはいわゆるA型人間の性なのかもしれません(笑)
風が冷たくなってまいりました。どうぞご自愛ください。
どうもありがとうございました。
なぜこちらのブログに行き着いたかというと、WordPressについて検索かけていた中でのことでした。11月まで常駐していたウェブリブログが7月にとんでもない改悪をしたことで、すっかり不調をきたして、結局は12月頭からSSブログに引っ越してしまいました。
その間にWordPressについても検討してみましたが、サーバー云々等でさすがに手は出せませんでした。が、古巣のブログデータの問題もあって、WordPressも捨てがたいと、あるいは先々の課題としてWordPress導入の可能性がないとはいえません。
というわけで、拙ブログにリンクを貼らせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
HIDAMARIさん
遠い道のりを辿ってポツンと一軒屋の如き当ブログにおいでくださったのですね(どんな検索ワードに引っ掛かったのか興味が...)。リンクまで張っていただいて光栄至極です。
小生の場合、最初はFC2で約2年、独自ドメインに憧れてMovableTypeに移行し4.5年(ここまで自力)~、重さとトラブルでMTに嫌気が差してWordpPressに移行(ここだけプロに委託)~、で現在に至ります。
ドメインの管理費とレンタルサーバー代は掛かかりますけど、WPでブログ運用の環境には満足しています。やりたいと思ったことは何でも出来ますしトラブルは皆無。もとい、いじり過ぎの自損事故はたまにありますが(笑)。まぁ、それも楽しみのうちなんです...
お礼と言っては失礼ですが、当方からも貴ブログにリンクを張らせていただきました。
こちらこそよろしくお願いいたします。