8月は暑かった割りに4冊読めました。夏休みもありましたしね。でも家で読んだ記憶がない。どこで読んだんだろ。ん?
- 貫井徳郎「愚行録」★★★☆☆
- インタビュー形式で複数のインタビュイーが惨殺された田向一家を語る。読者は最初「愚行」の指すところは殺害犯のことと想像しながら読み進めるが、次第に明らかになる田向夫妻の行状が愚かに思えてきて、後半は一人語りの各インタビュイーがいやなやつ、気持ち悪い連中であることに気づく。
よく出来た小説であると同時にすっきりしない読後感が残る。 - 大崎梢「配達あかずきん(成風堂書店事件メモVol.1)」★★★★★
- 書店員の毎日は、立ち読みしているだけの傍観者には知りようのない苦労の連続。そんな街の本屋さんで仕事をしながら日常の謎を解いてゆく正社員の杏子とアルバイトの多絵。
ウ~ム、上手いですね~。面白いですね~。
欲を言えばほんの1%の毒が、暗さが欲しいと思わせるほどさわやかな読み口と謎解きのキレ。シリーズの次作を予約しました。 - 大崎梢「サイン会はいかが(成風堂書店事件メモVol.2)」★★★★★
- 作者の「書店ミステリー」シリーズ第2弾。初作に続きおもしろく読めた。各編のタイトルがいい。「バイト金森君の告白」、表題作「サイン会はいかが?」、そして一番グッと来た「君と語る永遠」。第3弾が楽しみ。
- 大崎梢「片耳うさぎ」★★☆☆☆
- 巻末の解説によれば子供が主人公の珍しいお屋敷ミステリーであり、私にとっては苦手な「親戚もの」、「家系もの」だった。慶事、弔事などのときに「あれは誰のいとこ」、「あっちは誰の何の何の次男」と聞いても次の機会にはきれいさっぱり忘れている親戚音痴にはちと辛い。次作に期待。