筆者は今60代半ばですが、60を過ぎた頃から血圧がじわじわ上昇傾向なんです。
親からの遺伝があるし年齢的にも仕方がないと思う一方、今まで降圧剤を飲まずに過ごして来たので、悪足掻きかもしれないけど薬に頼るのは出来るだけ先延ばししたいと考えていましてね。
飲み始めると先々やめることができないとか、献血できなくなるとか、切迫感がないなりに弊害はあるな〜と思うわけです。
そこで今回は、高血圧に関する基礎知識を復習しながら、薬に頼る前に出来る自己流の血圧対策を整理してみます。長くなりそうなので本稿は前編ということで。
内容は、掛かりつけクリニックのT医師のアドバイスがベースになります。
まず、なぜ高血圧はダメで適正な血圧を保たねばならないのかという素朴な疑問から。
ハウス食品のサイトに、とても分かりやすい説明を見つけたので引用します(以下、同サイトからの引用が続きます)。
◆ House E-mag ハウス食品グループがお届けする 健康とおいしさを応援するマガジン
高血圧になると血管に負担がかかり、ほとんど自覚症状がないまま血管の壁は傷つき、厚く、硬く変化していきます。
これが動脈硬化で、進行すると心筋梗塞や脳卒中など脳血管障害の引き金に。高血圧が、サイレントキラーと呼ばれる由縁です。
想定以上の圧力がかかる配管は痛みやすく、傷んだ配管はいろいろなトラブルの元になるということですね。古くなったビルやマンションで漏水や赤水が発生するのに似ていると思います。
ある日突然、水が出なくなったり天井から水が垂れてきて大騒ぎになるアレですね(建築業界以外の方、ついてこられます?笑)。
日本はもともと味噌、醤油、漬物など塩分の多い調味料や料理が多く、欧米に比べ塩分過多の傾向がありました。
WHOの食塩摂取目標は1日5g未満ですが、厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本人の平均食塩摂取量は9.5g。
こと塩分に関しては、日本は減塩後進国なのです。
さすが食品業界の説明は、分かりやすい!、けど言ってることはとてもシビア。
確かに、ご飯には味噌汁、納豆、糠漬けなどがよく合い、刺し身には醤油が欠かせないし、そばやうどんの汁も醤油ベースが多い。
そんな食生活の我々は、日常的かつ無意識に塩分をたくさん摂っているのですね。
塩分を過剰に摂ると血液中のナトリウムが増え、浸透圧を一定に保つため血液量が増えます。すると血管壁への抵抗も増し、血圧も上がってしまうのです。
配管内を流れる流体の量が増えれば自ずと流速、圧力とも上がる……という理屈ですな。塩分過多で血圧は上がり動脈硬化が進み、先述の嬉しくない身体のトラブルが発生しやすくなると。
じゃあ、適正量の塩分摂取を心掛ければいいのでは?……というところから出てくるのが「減塩」という考え方です。
3食の調理に使う食材や調味料を工夫して、摂取量を一日6g未満(日本高血圧学会のガイドライン)することが推奨されています。
日本では塩はもちろん醤油や味噌などを調味料としてよく使いますが、塩分が多め。
またラーメンやうどんなどの麺類、白米のおかずとして魚の干物や漬物も日本人にはお馴染みの食事ですが、塩気が多くなりがち。
そのため、普段の食事に気を使っても、なかなか極端な減塩は難しいのが現状なのです。
血圧の相談に行くと医者はよく「減塩が一番大事です!」と言いますよね。でも歴史と伝統の中で育まれた塩分多めの食生活は、そう簡単に変えられるものじゃありません。
外食が多かったり食事の支度が家族任せであればなおさらです。
塩分過多の食生活が変えられない、あるいは限度があるとすれば、身体に多く摂り入れ過ぎた塩分を減らす方法がないか考えるのは、ある意味自然でしょう。
T医師は、その方法を具体的に教えてくれました。
そこで視点を変えて注目したいのが、体から塩分を排出するミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)です。
- カリウム:腎臓に働きかけ、ナトリウムの吸収を防いで尿への排泄を促してくれる作用があります
- カルシウム:カルシウム不足は血管を収縮させて血圧上昇を招きます
- マグネシウム:血管を広げ、血圧を下げる働きがあります
(ハウス食品サイトからの引用はここまで)
実際にT医師に勧められたのはカリウムの摂取でした。
「塩分摂りすぎたと思ったらバナナを食べてください」とのシンプルなアドバイスで、身体に入りすぎた塩分を別の食品に含まれるカリウムで排出するという考え方は、目からウロコでした。
そこから筆者は、減塩を基本に置くことは置くが、並行して高血圧の抑止効果がある食品を意識的に摂れば、更に良いではないかと思うに至ります。
具体的には、カリウムのほかカルシウム、マグネシウムも高血圧予防に効果的とのことなので、それらの俗に言う三大ミネラルの摂取が効果的……というのが現在の結論です。
【以下、後編に続く】