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マスクとサングラスの関係 / コロナ禍であぶり出されるアジアと欧米の違い

マスクは、新型コロナ禍以前から日本人には身近だった。

蔓延し始めると我々は必死になってマスクを着用した。それは自分自身と大切な人を守るためだった。

 

ああそれなのに……、諸外国、特に欧米ではマスクを忌み嫌う輩が多いと聞く。少しでも感染が退いたと見るや否や、マスクを外して大勢で気勢を上げたりする。

 

同じ顔に装着するものなのに、なぜサングラスは○で、マスクは×なのか……

 

photo / Unsplash

 

今回は、そのあたりに注目してみました。

 

1.経済評論家が街で見た光景

 

先日、経済評論家の伊藤洋一さんがラジオでこんなことを語っていました。

 

ラジオNIKKEI第一の「Round Up World Now! 」から……(ウォーキング中イヤホンで聴いた話の意訳)

  • 「緊急事態が明けたので、街の様子を見がてら溜池から東京駅まで、朝の通勤時間帯に歩いたら、その間ノーマスクの人が皆無だったことに驚いた」
  • 「海外の人からすると、日本人はマスク好き」「スマホの顔認証はマスク着用OKにしてくれ!」

 

番組中のコラム枠だったので軽めなまとめでしたが、いろいろ思うところがありました。

 

 

 

2.なぜかマスク好きな日本人

 

ラジオで伊藤さんが語った光景自体は、時期によってはマスクを常用する人が普通にいるお国柄ですからある意味当然、さもありなん、驚くに当たらず……と思いました。

まして職場への通勤途上、それも緊急事態明け直後の密集・密接がぶり返し兼ねないシチュエーションですからなおさらです。

虎ノ門や丸の内という場所柄、独特な同調圧力が働いていたかもしれません。

 

過去を振り返れば、大正時代にスペイン風邪が流行ったころ、国はすでにマスク着用を国民に呼びかけていたといいます。

そうこう考えると、マスク着用が一時のコロナ対策だけではなく、普通の日常でも習慣のように広く深く日本人に定着していることに異論はないでしょう。

photo / Unsplash

 

 

 

3.マスクとサングラスの関係とは?

 

そこから発展して考えたのが、本日のお題です。

 

仮に日本でサングラスが予防法や対症療法となるような感染症が流行ったとしたらどんなことになるか?

日本人にとってのマスクと海外の人にとってのサングラスは、等価と考えられないか?

 

「海外の人」の定義はとりあえず置いて話を進めます。

 

 

 

4.日本人と「海外の人」の違い

 

「目は口ほどにものを言う」ということわざがあります。

口に出さずとも人の思いは眼差しで伝わるとか、感情は目に表れるといった意味ですね。

 

日本人的には、サングラスで目元が隠れていると表情が読み難かったり、怪しげな人に見られたりするのはあるあるなので、感情表現の面では、口より目に優位性があると言っていいでしょう。

 

一方、「海外の人」の場合はどうなのか。

一連のコロナ関係の海外報道でよく目にするのは、新型コロナ感染の波が少しでも退けばマスクを外したり、ノーマスクで徒党を組んで気勢を上げる人々のシーンです。

 

そこから透けて見えるのはマスク着用への大きな抵抗感と、身に危険が迫らない限り(迫っても?)着用を拒もうとする忌避意識、マスクに関する日本人と大きくかけ離れた価値観です。

 

 

 

5.感情は顔のどのパーツに表れる

 

日本人がマスク着用に抵抗がないのは、ことわざにもあるように相手の目元から感情や思考がある程度読み取れる、推し量れるからだそうです。

口が隠れていてもコミュニケーション上、特に支障はないと。

逆に、口元が隠れていても目元が見えればコミュニケーション上の問題はない。だからこの度のコロナ禍においても多くの人が自然に、迅速にマスク着用に走ったとも言えます。

 

一方、「海外の人」の場合、感情表現における日本人の目元に相当するのは口の周辺、いわゆる口元であり、それがために口元が隠れてしまうマスクの着用を嫌がるといった説があります。

口元が隠れていると会話する中で相手の感情が読めず不安になったり、不審人物にすら見えてしまう、だからコロナ禍であってもマスクは着けたくない……、そういうことらしいです。

 

やはり、日本人のマスクと「海外の人」のサングラスは、感情表現や他人への印象の面ではほぼ同じ立ち位置にあると言え、サングラスの着用が予防法となるような感染症がもし日本で流行ったら、今海外で起きていることと似た状況が発生すると推測できます。

photo / Unsplash

 

 

 

6.「目元 vs 口元」についてはコロナ以前から指摘があった

 

さて、以上のようなことは、筆者が気づくくらいですからコロナ以前、以後に関わらず、すでにあちこちで指摘されていました。

 

◆表情の読み取り方に見る文化差〜日本人は目 欧米人は口〜(2018/04)
https://www.ngu.jp/media/180418_ChuKei_Opinion_Assoc.-Prof.Shibasaki.pdf

◆顔文字で日本と欧米の違いを表したものに納得(2018/07)
https://togetter.com/li/1251462

◆これだけ言われても欧米人がマスク着用を嫌がる社会的事情(2020/04)
https://president.jp/articles/-/34422

◆なぜアジア人と欧米人でマスクへの意識が違うのか 専門家が教える、その科学的裏付け(2021/02)
https://globe.asahi.com/article/14183725

 

ちなみに、どれも概ねアジア(東アジア、日本)対欧米という構図で分析されているので、上の「海外の人」は「欧米人」に置き換えても問題なさそうです。

そして、「欧米」をヨーロッパ+南北アメリカと解釈すれば、対比の範囲、構図とも筆者のイメージとほぼ一致しますので東洋vs西洋、モンゴロイドvs白人……、そんな括りで語りたくはないけれど、やはりアジアと欧米で感情表現に客観的な違いがあるのは明らかです。

 

また、日本と欧米で顔文字が違う理由にも納得がいきました。

思わぬところ思わぬ違いが潜んでいたという意味で面白い分析だと思います。

 

 

 

7.まとめ

 

もし新型コロナが目の病気で、感染や蔓延防止のためサングラスの着用が必須だとしたら。

  • 「サングラスなんて鬱陶しいし気色悪い」
  • 「街中がサングラスの怪しい人だらけで不安で仕方がない」
  • 「視界が暗くなって嫌だけど病気になりたくないから掛けます」
  • 「感染者が減少気味だからもうサングラス無しで出かけてもいいだろう……」

 

日本では、そんな感想を持つ人が多いことでしょう。

 

我々にはもともとサングラスの習慣がありませんから、そんな疫病が流行らないことを願うばかりです。

そして、たまには頭の中でマスクをサングラスに置き換えてみて、不思議なほど強い欧米人のマスクへの忌避感、マスク外したい願望の裏にある事情や彼らの気持ちに思いを馳せ、相互の理解が少しでも深まればいいなと思いました。

 

One more thing!

最近、欧米ではアジア人のマスク姿がヘイトクライム(憎悪犯罪)の誘因になるケースがあるようです。

単にマスクのせいだけではないかもしれませんが、コロナ禍が明けて海外渡航が自由になるころには、日本人が欧米人やサングラスに鷹揚なように、欧米の人たちもアジア人やマスク姿を自然に迎え入れてくれれば……、と切に願ってまとめとします。

おしまい。

 

 

 

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