今日は、筆者が長年悩まされている気管支炎と咳の予防と治療に一筋の光明が見えたかも、という話。
思い起こせば二十数年前、40代の頃から年に約1回の頻度で「気管支炎」ってやつを繰り返してきました。いわば持病ですね。
毎回幸いなことに、発熱や食欲不振などの全身的な症状はなく、咳、痰、胸部の不快感が主な症状になりまして、朝起きがけに溜まりに溜まった痰を出し切るまでの苦しさや、日中から夜、夜中にかけて続く強い咳はなかなか辛いものです。
治療は毎度同じ対症療法で、菌やウイルスを抑える抗生剤、痰を切り咳を止める鎮咳去痰薬などを開業医で処方してもらうごくオーソドックスなもの。
この対応で初期症状は1〜2週間で治るのだけど、厄介なのはその後長引く空咳です。ひどい時は発症から3ヶ月くらい経たないと治らないこともあります。
咳というのは自分自身も辛いし、周りの人に対しても要らぬ気遣いをさせたり不快感を感じさせたりする迷惑なものですから早く治すのが一番、・・・と分かっちゃいるんですが、これがなかなか抜けない。
なので、長年個人的に上記の治療、対応で良しとして来たわけではなくて、病院や薬を変えたり、冬にはマスクを常時つけるなどして気をつけてきましたが、胸の内には常に以下のような想いがありました。
ということで大変遅まきながらですが、この9月初旬から始まった「ン十回」目の気管支炎と空咳がようやく治まって来たこの時期に、総合病院の呼吸器内科をセカンドオピニオン的に訪ねて、詳しく調べてもらったという次第です。
総合病院の呼吸器内科で前述の症状を細かく説明すると、担当のT先生は3つの検査をしてくれました。
1.は普通に広く行われているもの、2.は肺活量や呼吸の機能自体に問題がないか調べるもので、今日のところは両者とも特に問題なしとのことでした。
その中で今回、すごく勉強になり治療上の参考にもなったのが 3 の検査でした。
T先生から聞いた説明と自分のにわか勉強を総合すると、この「呼気NO濃度測定検査」とは、人の呼気(吐いた息)中の一酸化窒素濃度(FeNO)を測定する検査で、
こんな理屈に基づいているものらしいです。
要するに吐いた息を調べるだけで喘息や気道アレルギーの有無や程度が分かり、2013年に保険認定されたことで普及が進んでいる検査、とのこと。
そもそも好酸球って何?
好酸球は、白血球という血液の細胞のひとつです。
血液中を流れる好酸球は、炎症を起こしている場所に集まる性質があります。主には皮膚、気管支や肺、胃腸ですが、集まって来た好酸球は特殊な顆粒を放出して、侵入した寄生虫や細菌、真菌(カビ)などを攻撃します。
これは同時に、周りの組織を傷つけてアレルギー反応を引き起こしたり、アレルギーが起こりやすい状態を作り上げる原因となります。
<日本臨床検査専門医会紙LABO-2017.05版より引用>
でその日、筆者の数値は、
と出ました。
この検査結果をT先生は、「健常な成人なら普通は15以下。30以上ならより精密な検査が必要なので、28は異常ではないが少し高めな数値」と評価しました。
ちなみにネットで見つけた公的機関(ATS(米国胸部疾患学会)の見解でも、「25~50 ppb:臨床的な状況を参考にしながら慎重に解釈する 」とされています。
つまり、現在もなお気道に弱い炎症があり、その炎症はアレルギー性の可能性があるとのことです。
結果として総合的に下された診断は、「気道にアレルギー性の炎症が若干残っている。咳が続いているのはそのためかもしれない」とのことで、「次回、同じ症状で病院にかかり投薬を受ける場合には、抗生剤、咳止めなどのほかに”アレルギーの薬”も出してもらうと効果があるかもしれません」と申し添えがありました。
筆者としては、今までに行った病院で示されたことのなかったこのコメントには、大いに満足ましたし、また以下の2点が大きな収穫でした。
長年、気管支炎とそれから来る咳を繰り返してきた身体としては、今回訪ねた呼吸器内科で前述2の(1)、(2)、(3)の疑問と、発症時の対応ついて大きなヒントをもらうことができました。
これを念頭に置いて、発症の回数を減らすよう、できるだけ短期間で咳が治るよう、医療に頼るところは頼って、それと共に自分自身でも出来ることを心がけよう思っています。
当然、医療の進歩と医療者への感謝も忘れずに・・・
(問題は、最近咳のときに通っている開業院耳鼻咽喉科の頑固オヤジっぽいK先生が、か弱き患者(筆者!)が咳き込みながら訴えるFeNO検査やアレルギーの話に耳を傾けてくれるかどうかなんですがね(汗))